いつどのように始まった?
26日(金)付けの日本経済新聞朝刊に、大井競馬の“全面広告”が載っていました。同紙をご購読の方なら、ご覧いただけましたよね?
大井競馬場では、無観客開催であってもメインレースを中心に生ファンファーレを演奏しています。トランペットを吹いているのは、「東京トゥインクルファンファーレ」のみなさん。先日、そのメンバーお三方と私とで、ファンファーレをテーマにお話をさせていただきました。今回の広告記事は、それをまとめたものです。
記事の中にもあったとおり、誰もいないスタンドに向かってファンファーレを演奏するにあたっては、みなさんかなりの違和感を覚えたそうです。
「ふつうは、ファンの方々のカラダに音が吸い込まれるんです。無観客だとそうならないので、スタンドやコンクリートに音が跳ね返って、ずっと遠くのほうまで響き渡っているんじゃないかと思ったほどです」なんていうお話もうかがえました。
ファンファーレと大歓声というのは一体のもの。やっぱりスタンドが静まりかえっていると、ファンファーレが寂しく聞こえちゃいますよね。
もうすぐ有観客開催が再開されるとはいえ、「大声を出すのは控えてください」と呼びかけられるはずなので、競馬場が“コロナ前”のような雰囲気に戻るには、まだまだ時間がかかりそうです。
ところで、今回の“対談”を前に、競馬のファンファーレはいつどのように始まったのかを調べてみました。
ところが、そもそもの起源について、確かなことはわかりませんでした。有力なのはアメリカ競馬博物館&殿堂の歴史研究家の説。それによると、1885年にモンマスパーク競馬場でF.A.ヘックラーという人物が「コールトゥザポスト(Call to the Post」という曲を吹いたのが始まり、だそうです。
これはかつて、大井競馬場などでも使用していた曲。今でもアメリカのいくつかの競馬場で、出走馬が本馬場に出てくる前に演奏されています。
日本では、日本短波放送(今のラジオNIKKEI)が競馬中継の中で、レース発走前の放送に“メリハリ”を付けるため音楽を流したのが、のちのファンファーレ導入につながったとのこと。その音楽というのが、エドゥアルト・シュトラウス作曲の「テープは切られた」です。
さっそくそれを聴いてみましたが、ファンファーレのような部分はなく、どこを使ったのかわかりませんでした。ご存知の方がいらっしゃったらぜひご教授ください。
なにはともあれ、ファンファーレは日本の競馬になくてはならないものになっています。演奏の後に大歓声を上げられるようになる日が、早く来るといいですね。