▲障害馬術大会の優勝経験者、松本大輝騎手の素顔とは (撮影者は同期の西谷凜騎手)
今年デビューの新人騎手を履歴書風のインタビューでご紹介する「わたしの履歴書」。第5回は、3月13日中京6Rをヴァルキュリアで初勝利を飾った松本大輝騎手。
スタートで出遅れてしまいますが、「大久保龍志厩舎の方と先生から『もし出遅れてしまっても、慌てずに4コーナーまでに追いつけばいいから』と言っていただいていました」と、冷静にレースを運んでの勝利で、「完全に馬の力で勝たせてもらって感謝しかありません」と話します。
父は松本達也元騎手。競馬学校時代には模擬レース8戦の総合ポイントで争う「競馬学校チャンピオンシップ」で総合優勝を果たし、騎乗技術優秀者に贈られる「アイルランド大使特別賞」も受賞しました。身長176cmという背の高さも話題で、長身で知られた武幸四郎元騎手(現調教師)より1cm低いだけというスラリとした体形。どんな人物なのでしょうか。
(取材・構成:大恵陽子)
※このインタビューは電話取材で実施しました
【出身地】
滋賀県です。
【経歴】
親が礼儀や馬乗りに関して厳しくて、「真面目にやるしかないな」と小学生の頃は思っていました。気づいたら馬をやっていました。
祖父が栗東ホースクラブの場長で、小さい時から馬に乗ることがありました。そこで父に教えてもらったりして、しっかり乗るようになりました。
【運動歴・乗馬歴】
運動は乗馬しかしていません。小学3年生くらいから乗り始めて、小学5年から栗東トレセンの乗馬苑で乗るようになりました。
【志望動機】
父に阪神競馬場に連れて行ってもらって、ドリームジャーニーが宝塚記念を勝ったのを見て「カッコいいな」と思いました。この時は競馬のことはあまり分からなかったんですけど、それから騎手を目指すようになりました。
▲きっかけとなったドリームジャーニーの宝塚記念 (C)netkeiba.com
【趣味・特技】
趣味は釣りです。最近はあまり行けていないんですけど、競馬学校の厩舎実習中にイカ釣りに行きました。それまでやっていた一般的な釣りとはちょっと違って、すごく面白かったです。
特技は乗馬ですかね。障害馬術の大会にも出て、何回か優勝させてもらいました。競馬学校の試験での乗馬の項目ではある程度の成績を取ることができたのですが、1歳上の角田(大和)さんが上手くて、毎回試験で負けて悔しいなぁと思っていました。
【所属先】
森秀行厩舎
【所属先の紹介】
厩舎実習中にはアメリカ、サウジアラビア、ドバイと連れて行ってもらって、デビュー週には準オープンや特別レースにも乗せてもらいました。普段、厩舎で会うことは他の人に比べて少ないんですけど、見えないところですごくサポートしてもらっていてありがたいです。
厩舎スタッフの方々もとても優しくて、自分がやりたいことをやらせてもらっています。デビュー週にいい馬に乗せてもらっていながら結果が出せなかったのですが、「仕方がないから」と言ってくださって、早いうちに恩返しをしたいと思っています。自厩舎は今年、調子がいいので、その波を崩さずに勝っていきたいです。
▲森厩舎ならでは! 厩舎実習中から海外遠征を多数経験 (撮影:山中博喜)
▲「早いうちに厩舎に恩返しをしたい」と松本騎手 (撮影:山中博喜)
【兄弟子】
現在はいませんが、川又賢治騎手が元々所属してらっしゃいました。古馬だと賢治さんが乗ったことのある馬もいて、「どんな馬ですか?」と聞くと、丁寧に詳しく教えてくださいます。
【自己PR】
競馬学校を受験した時は168cmだった身長が、入学してから気づいたら176cmまで伸びていました。背が高くて目立つと思うので、最初はそれで見つけてもらえたらな、と思います。あとはちゃんと自分が勝っているところを見せられるようにがんばりたいです。
▲スラっと伸びた手足が印象的 (撮影:山中博喜)
【本人希望記入欄】
乗せてくださる厩舎の方々へ
森厩舎出身の新谷功一厩舎でもチャンスのある馬に乗せていただいたんですけど、全然上手く乗れず申し訳ない競馬をしてしまったので、早いうちに上手くなって、ミスをした分をどこかで取り返したいなと思っています。