先週土曜のニュージーランドTはバスラットレオンが逃げて5馬身差圧勝(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
路盤が改修された2015年以降の皐月賞の馬場は、週中や週末にまとまった雨が降らない限りは、良好な状態で行われている。
私が判定する馬場コンディションでは、「稍重い〜重い」と判定する重めの馬場コンディションだったのは2018年と2020年。それ以外の2015年、2016年、2017年、2019年の4回は「稍軽い〜標準」の間で行われている。
「稍軽い〜標準」の馬場で行われた時の皐月賞は「末脚」が重要なトラックバイアスになりやすい。2015年以降。皐月賞が馬場コンディション「稍軽い〜標準」で行われたのは4回。3着内に好走したのは12頭。そのうち、最初のコーナーを3番手以内で通過していた先行馬は2頭しかいない。有利なのは末脚に優れた馬。二桁位置取りの馬も3連対している。
一方馬場が重くなると、傾向は一変する。「稍重い〜重い」馬場コンディションで行われたのは2回。2018年はトラックバイアス「前有利・ 」。最初のコーナーを5番手以内で通過した馬が1〜3着を独占して波乱。2020年はトラックバイアス「内有利・ 」。内枠、内を通る馬が恵まれた。馬場が重くなると末脚を活かすのが難しくなるのだ。
現時点では、天気を読むのが非常に難しい。週中、週末ともに不安定な天気予報。参考までに2018年は当日朝までの雨量が約18mm。2020年は前日の雨量が約75mm。この2回は勝ちタイムもほぼ同じだった。この程度の雨量があった場合は、重めの馬場コンディションになるだろう。現時点ではどんな馬場コンディションや状況になったとしても好走できる能力を持った馬を推奨する。
重い馬場も軽い馬場もこなせるステラヴェローチェ(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
ステラヴェローチェの前走共同通信杯は、この世代でここまでに行われた重賞のなかでも屈指の好メンバーが揃っていた。しかし、直線が強い向かい風のなかで行われたことによって、本来の能力を発揮できない馬が多数出た特殊なレース。
この日の東京芝は路盤や芝の状態自体は良かった。しかし直線の向かい風による負荷がかかる状態。路盤は軽いが、風がタフ。よって馬場コンディションは「標準」。トラックバイアスは「外有利・ 」と判定した。
レースは、向こう正面は強い追い風だったことを考えればかなりのスローペース。各馬脚は溜まったはずだが、走りづらい直線で伸びることのできる馬が限定された。よって、追い風の向こう正面でスムーズに外めを通ることができた馬、外枠が恵まれた。
ステラヴェローチェは内枠から向こう正面追走時も常に前に壁を作る形。トラックバイアスが標準であれば、セオリー通りの好騎乗である。だが、この日のトラックバイアスと展開に限っては外めをダラダラと走らせたり、タメるよりも惰性をつける方が有利。結果として不利な競馬になった。
重く極悪の馬場コンディションだったサウジアラビアRCを勝ち、軽めの馬場コンディションで道中の流れも速かった朝日杯FSでも2着。重めの馬場コンディションや様々なペースに対応可能なのは心強い材料。
朝日杯FSでは直線半ばから内めに入って捌いてくる形を取れたように反応の速さも備えており、初めての小回りコースに対する不安もない。
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