▲今回は蛯名正義調教師がデビューしてからのお話 (撮影:福井麻衣子)
第二のホースマン人生を歩み出した、蛯名正義調教師をお迎えしての対談。前回は“ジョッキー・蛯名正義”誕生秘話からスタートしましたが、今回はデビューしてからのお話。
数多くの勝利を手にしてきた名手ですが、意外にもGI初制覇はデビュー10年目。当時の外野の声は「すっごいウザかった(笑)」と蛯名調教師。しかし、その勝利は、佑介騎手の人生を変えるほどの名勝負でした。
(取材・構成=不破由妃子)
※対談はマスク着用で行いました
自分が負けを認めさえしなければ、負けじゃない
──これまでいろいろなタイプの若手ジョッキーを見てこられたと思いますが、蛯名さんはご自身で分析すると、どんな若手だったと思いますか?
蛯名 とにかく「勝ちたい、勝ちたい」という気持ちが前面に出ていて、あきらめの悪い感じだったと思う。
佑介 あきらめが悪い感じ?
蛯名 そう。あきらめたらそこで負けになるけど、負けても向かっていけば、それは負けじゃない。若い頃から、そう思ってずっとやってきたからね。
キャリアを重ねてからも、負けを自分が認めさえしなければ、ずっとやれると思ってた。それがモチベーションだったし、今もそうだけど、たぶんそれだけで生きてきた。もちろんそれは、調教師になっても変わらない。これからもずっと自分を支えていくのは、そういう気持ちだろうなと思う。
──それが蛯名さんを貫くモチベーションであり、生き様なんですね。ちなみに、若い頃からけっこう尖っていたという噂もちらほら…。
蛯名 けっこうじゃないよ。だいぶ尖ってた(苦笑)。なんていうのかな、たぶん負けたくないっていう気持ちが表に出ちゃうんだろうね。
佑介 子供の頃から、そういうタイプだったんですか?