阪神競馬場での施行でも立ち回り性能とスピードが求められそうな今年の天皇賞・春
JRAの平地GIレースの中で唯一の古馬長距離レースとして施行されるのが天皇賞・春。
当然の様に同じ古馬長距離レースであり格式の高いGII阪神大賞典組が好走馬を最も供給するステップレースとなっていますが、ただし阪神3000mで施行される阪神大賞典と京都3200mで施行される天皇賞・春とではレースの性格が大分異なっており、どちらかと言えば直結しないレースだと言えます。結果的には数の暴力でそれだけの好走馬の数を生んでいるわけですが、そこでは来る馬のパターンと来ない馬のパターンの峻別が重要となってきます。
「天皇賞・春の前走出走レース別成績(過去10年)」
近10年の天皇賞・春で二桁人気の人気薄ながらも好走したのは、「20年2着スティッフェリオ(4角通過順3番手)・16年2着カレンミロティック(同3番手)・15年3着カレンミロティック(同1番手)・14年3着ホッコーブレーヴ(同10番手)・12年1着ビートブラック(同1番手)」の5頭ですが、長距離レースでも開催2週目の高速馬場・内有利馬場で施行される為にスピードと立ち回り性能が問われて、総じて内前で上手く立ち回った馬の激走傾向が認められます。
それに対して阪神大賞典では、昨年は10頭立てで道中通過順9番手→10番手→7番手のワンツースリーなど、総じて道中は中団よりも後方に位置していた馬の好走が目立つ傾向があります。それはスタミナ要素が非常に強く要求されるレース質から、一般的にはメリットになる位置取りの高さも、むしろ追走によりスタミナを削ぐデメリットになり得るということです。実際に今年の阪神大賞典も、道悪競馬でより消耗戦の色が濃くなった分もあって、道中で最後方に位置していた2頭(ユーキャンスマイル・ナムラドノヴァン)が馬券内に食い込む決着となりました。
それら両レースの“ギャップ”によって、阪神大賞典で不利な先行競馬ながらも好走した馬は