曇天の下、体調の良さを見せたのは…
今週は天皇賞・春。淀ではなく、仁川の3200mということになります。私の場合、この舞台設定に対して、どのような調教適性が必要になるかということを考えることが予想の第一歩になります。ポイントになるレースは3つあると思っていて、それが今年行われた松籟S、阪神大賞典、大阪ハンブルクC。時計の速い馬場、という意味で大阪ハンブルクも参考にするつもりでしたが、水曜と木曜でしっかり雨が降りそうですし、さすがに開催最終週なので、当時と同じ馬場というところまではないかもしれません。
ちなみに、今朝28日の栗東は曇りから雨という空模様。あまり良いことはありませんが、このような時の利点は光量が少ないこと。それゆえに、本当に体調が良くて、毛艶の良い馬なんかは少しの光で輝いて見えたりします。ディープボンドなんかはまさにそれ。CWの向正面を走っている時は双眼鏡がなくてもそれを確認できるくらいでした。この時は雨が降っていなかったので、毛艶確認にはベストな時間帯でもあったんですね。パドックでも同じように曇り空での毛艶確認は有効なので、ぜひとも実践してみてください。
【青葉賞/ワンダフルタウン】
蹄を痛めたということで前走後は休養。この中間は3月下旬から追い切りを開始しているので、調教量としては十分というくらいに積むことができていると思います。ただ、1週前追い切りのCWでの動きは今ひとつ。先行していたアイロンワークスに追いつくことができず、最後は離されてしまい、ラスト1F13.3秒も要してしまいました。
しかし、6Fは78.6秒。全体の負荷としてはしっかりかけられていますし、最終追い切りは坂路で4F目が最速になるラップで、4F53.7秒、1F12.4秒。出走態勢はきっちり整ったと思いますが、是が非でも権利が必要という状況ではありませんから、そこがどうかでしょう。
出走態勢はきっちり整ったワンダフルタウン(4月21日撮影)
【天皇賞・春/ディープボンド】
冒頭にも記したように、本当に体調が良いと思える毛艶の良さ。青鹿毛という毛色であることを意識しても、そう思えるくらいです。これは調教欄からも裏付けることができるといってもよくて、前走後は4月8日から追い切りを開始しています。芝3000mを走った2週後には、もう坂路で4F54.3秒をマークしているわけですから、疲れなんて全くないのでしょう。
最終追い切りはCWで単走。和田竜二騎手が跨りましたが、非常にゆったりと走って、最後までその雰囲気のまま。どこかでラップが速くなるかも、と思いながら見ていましたが、結局はさほど速くならずにゴールしています。時計は6F84.0〜5F69.0〜4F54.0〜3F39.7〜1F12.9秒。数字は前走や京都新聞杯を勝った時よりは遅くなるので、これをどう評価するかでしょう。
疲れも見えず体調の良いディープボンド(4月28日撮影)
【天皇賞・春/アリストテレス】
前走は最終追い切りCWでの併せ馬が思った以上に前向きな走り。これが実戦でどんな影響を及ぼすかと思っていましたが、結果的には折り合いを欠く要因になったかもしれません。それだけに、この中間は併せ馬でどんな走りを見せるか、そこに注視していました。
1週前追い切りはCWでC.ルメール騎手が跨って、追走してさほど行きたがっているようにも見えませんでした。ただ、最終追い切りCWでの3頭併せは前走の最終追いに似た外で先行気味のシチュエーション。ゴールで先着するというのも同じだったと思います。ただ、時計に関しては、6F79.3秒と全体は今回の方が速いのに対して、ラスト1Fが12.3秒と伸ばすことができています。この動きなら、レースでも折り合うことができると思いますが、果たして。
前走の最終追い切りより良化しているアリストテレス(写真手前、4月28日撮影)
【天皇賞・春/ワールドプレミア】
1週前追い切りはCWで福永祐一騎手が跨っての併せ馬。1週前が坂路で併せ馬だったJCやCWで単走だった有馬記念の頃とは違い、しっかりと負荷をかけることができるようになったという意味では今年は状態が良いと判断できます。また、前走時の1週前が併せ先行だったのに対して、今回は追走。負荷としては今回の方が強化されているといってよいでしょう。
ここできっちりと仕上げて、最終追い切りは単走。ゴール前は流していくような感じでしたが、馬自身は気持ちを入れて走ることができていたと思います。6F84.8〜5F69.8〜4F54.9〜3F40.9〜1F13.1秒は前走より遅い時計ですが、それだけ順調という捉え方で間違いはないでしょう。
着実にきっちりと仕上げてきているワールドプレミア(4月28日撮影)
【天皇賞・春/ディアスティマ】
青葉賞の惨敗後、秋に復帰してからは、クラスの階段を一歩ずつ、確実に昇ってのオープン入り。重賞実績があるとはいえ、3歳時の京成杯3着ですから、オープンでの能力に関しては、これが試金石のようなもの。にしては、GIでここで取り上げるくらいの人気に推されているわけですから、これはやっぱり前走が今回と同じ舞台を勝っているということを評価されているのでしょう。
今回も前走と同じく、週中が併せ馬、週末が単走という坂路での追い切り。追い切りの本数もきっちりこなしています。1週前追い切りはこれまで以上にしっかりと負荷をかけているなあと思っていたんですが、最終追い切りは2F目から12秒台を踏むラップ。4F目が大きく失速しているわけではありませんが、前走の4F目最速ラップとは違いがあります。このあたりは映像を見て、動きの状態を確認し、重賞捜査網で解説させていただこうと思います。
◆次走要注意
・4/25 マイラーズC【ザイツィンガー】(12人/6着)
最終追い切りが坂路で2F24.2秒。やけに動いたという印象もあり、ウマい馬券では注の印を回しましたが、レース結果も決して悪くありません。淀みない流れでマイルにも対応した印象ですが、オープン特別なら、いつかは勝ち負けというシーンがありそうです。
[メモ登録用コメント] [芝マイル以下]最終追い切りが栗東坂路で2F24秒台なら勝ち負け
◆開催おすすめの調教適性
<東京芝1400m>
◎調教タイプが馬ナリ平均
◎最終追い切りが栗東坂路
◎最終追い切りが南Wで4F54秒以下
○最終追い切りが美浦坂路で4F目最速ラップ
先週から開幕した東京。調教タイプが馬ナリ平均というのは、スピードある軽めの調教内容がベストという意味ですが、4月24日の4歳上2勝クラスでは馬ナリ平均併用の8番人気シャワークライムが勝利しています。
シャワークライムは最終追い切りが南Wで4F54秒以下にも該当。ちなみに晩春Sでは、単勝12番人気ハーフバックが勝利していますが、こちらは最終追いが栗東坂路でした。
【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!