▲人気馬バスラットレオンの手綱を託された藤岡佑介騎手 (撮影:福井麻衣子)
前哨戦のニュージーランドTを、圧巻の逃げで勝ち切ったバスラットレオン。その手綱を握ったのは、新馬戦(1着)以来のコンビとなった藤岡佑介騎手でした。管理する矢作芳人調教師にはスーパーホーネットをはじめ、「若い頃から再三チャンスをいただいた」と藤岡騎手。今こそ、夢の結実の時――。めぐってきた大きなチャンスを前に、心境と決意を語りました。
(取材・構成=不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で行いました
新馬の頃から「相当なレベルにある馬」
──新馬戦以来の騎乗となったニュージーランドTでは、鮮やかな逃げ切り勝ちを決めました。それまでの重賞では坂井瑠星騎手が手綱を取り、2、3番手からレースを進めていましたが、今回はハナを選択されましたね。
藤岡佑 これまでも意図的に控えたというより、ある程度主張した結果、ほかに行く馬がいるから2、3番手に…というような競馬に見えたので、ほかに逃げそうな馬が見当たらなかった今回は、枠の並びを考えても行ければいいなと思っていました。
──実際、好スタートからマイペースの逃げ。非常にいいリズムで走っているように見えました。
藤岡佑 そうですね。途中から動いてこられたりとか、そういうことがなければいいなぁと思いながら運んでいましたが、3コーナーまでマイペースで行けたので、ここからならどうにかなるなという感じで。4コーナーの時点では、そこまでのペースを考えても、まず負けないだろうなと思える手応えでしたね。
▲スタートから一度も先頭を譲らずに勝利 (撮影:下野雄規)
──新馬戦も逃げ切りでしたが、走り自体に成長を感じた部分はありましたか?
藤岡佑 よくも悪くも変わってないなという印象です。新馬戦のときも、1〜2コーナーで物見をして少し膨れるような感じになったんですけど、ニュージーランドTでも、スタート後にちょっとフワッとして外に流れて、最初のコーナーを膨れながら入っていきましたから。そのあたりの遊びが最後の伸びにつながっているのかどうか…。僕は騎乗した2回とも逃げているので、なんとも言えないところなんですけどね。
──バスラットレオンといえば、デビュー当時から能力を高く評価していた馬。改めて当時の印象を。
藤岡佑 新馬戦の追い切りに乗ったときの反応や弾み方から、相当なレベルにある馬だなと感じていました。首の振り方もすごくよくて。
──首がすごく太い馬ですよね。