ナダル・プレミアムを制した落合玄太騎手、好相性のクインズサターンとの結果はいかに
4月14日に開幕したホッカイドウ競馬の重賞競走第一弾「コスモバルク記念」が5月4日、門別競馬場で行われた。
数えて今年で11回目。今年は9頭がエントリーした。天候は晴れ。この時期らしい爽やかな気候に恵まれ、場内は抽選で入場券を入手した熱心なファンがレースに熱い視線を注いでいた。
門別場内風景
発走時刻は午後8時40分。距離1800m。1着賞金500万円。リンノレジェンド(五十嵐冬樹騎手)とクインズサターン(落合玄太騎手)がともに2.1倍、3番人気にクラキングス(桑村真明騎手)で9.6倍、4番人気にテーオーフォース(服部茂史騎手)と続く。
クインズサターンのパドック
昨秋のオーラス、道営記念を制したクインズサターンと、前走のナダル・プレミアム(4月21日)を制し、ここに照準を合わせてきたリンノレジェンドに人気が集まった形だ。
クインズサターン返し馬の様子
まずレースを引っ張ったのはソイカウボーイ(岩橋勇二騎手)。スタート直後から先頭に立つとそのままマイペースで逃げて行く。リンノレジェンド、ステージインパクト(宮崎光行騎手)、テーオーフォースが差のない展開でソイカウボーイを追いかける。
4コーナーで先行していたソイカウボーイの脚色が鈍ると、これら4騎の後方でじっくりとチャンスをうかがっていたクインズサターンが大外に持ち出し、残り1ハロンで余裕を残したまま抜け出し、1着で決勝点を通過した。2着はテーオーフォース。3着はクラキングス。リンノレジェンドは5着に沈んだ。
終わってみれば、クインズサターンの強さだけが光るレースであった。落合玄太騎手は、道中、馬の行くままに合わせ、先行する各馬を射程圏内に入れながら、勝負所で一気にゴーサインを出すと、それに応えてクインズサターンが一気に末脚を伸ばして難なく先頭に立った。力量の違いが出た一戦であった。
コスモバルク記念を制したクインズサターン
クインズサターンは、牡8歳芦毛。落合玄太騎手騎乗。安田武広厩舎所属。父パイロ、母ケイアイベローナ、母の父クロフネといういかにもダート適性の高そうな血統背景である。
これで通算成績は39戦10勝2着5回3着7回、獲得賞金は中央地方合わせて1億9857万円となった。重賞制覇は昨秋の道営記念に続き2勝目。馬主は亀田和弘氏、生産者は新ひだか町・佐竹学氏。落合玄太騎手、安田武広調教師ともに同レースは初制覇である。
引き上げてきたクインズサターン
よほど門別コースが合うのか、クインズサターンは昨年夏にここに転入してからシーズンオフを挟んでこれで5連勝となった。なお、昨年夏以来、鞍上はずっと落合玄太騎手が務めている。このコンビが今年のホッカイドウ競馬の古馬陣をけん引して行くことになりそうだ。
コスモバルク記念口取り
落合玄太騎手は、昨年、83勝を上げた若手のホープである。1998年4月4日生まれの23歳。田中淳司厩舎に所属し、今年は現在のところ石川倭騎手の13勝に続く11勝を上げており、リーディング争いの一角を占める位置にいる。端正な顔立ちだが、いかにも気の強そうな性格の持ち主と見える。レース後のコメントもはきはきしており歯切れが良い。今年は昨年以上の活躍が期待できそうだ。
若手のホープ・落合玄太騎手
なお、この日、門別競馬場には462名が入場した。事前に申込んだ入場希望者の中から250組500名を上限とし、抽選で入場者を抑えている。いうまでもなく新型コロナ感染拡大に配慮しての措置だ。
ただ、馬券発売の方は、昨年に続いて今年もステイホームによる外出制限などが追い風となり、かなり順調なスタートを切っている。第1回門別は4月14日、15日、21日、22日の4日間で20億5394万円。そして、現在は第2回門別の開催中だが、4月28日、29日、5月4日とこれまでで3日間を消化した時点で、24億5843万円を売り上げている。
昨年のコスモバルク記念は4月23日に行われ、この日は8億306万円の売り上げだったが、今年は休日と重なったこともあり、11億3885万円と大きく数字を伸ばした。総額520億円を売った昨年の数字にどこまで近づけるかが、今年の課題である。