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【オークス予想】ソダシを差し切れる馬を探せ!

  • 2021年05月16日(日) 18時00分

■オークス(GI・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録21頭


★3行でわかる! オークス 攻略の糸口

1.1番人気の内容が「超」優秀。ただしヒモ荒れ傾向も強い。
2.外枠狙いがオイシイ。最速上がりが出せそうな馬は特注!
3.前走4人気&3着以内が必要条件。キャリア5戦以内も○

データ特注推奨馬
 ★ステラリア(1着候補)
 ★ユーバーレーベン(2〜3着候補)


 一昔前はけっこう穴馬が勝っていたオークスだが、近年の勝ち馬はかなり順当。2016年以降は1番人気がすべて勝利と、キッチリ結果を出している。また、1番人気が非常に強いというのは、東京芝2400mというコースの特徴でもある。展開の紛れが起こりづらい広々としたコース形態で、実績馬が能力をしっかり発揮できるというのが、人気サイドが強い理由だと思われる。

 ただし、2〜3着はけっこう紛れるレースで、近2年はふたケタ人気の超穴馬が激走中。ここをどう狙うかが、勝負の分かれ目となることだろう。そこで活用したいのが、ここで掲載している前走人気と前走着順別での成績。ご覧のとおり、前走が4番人気以内もしくは3着以内という条件を満たしていない馬は、ほとんど好走できていない。この両条件を満たすのが、オークスで好走するための必要条件といえるだろう。

 枠番は意外なことに外枠有利。人気になるのは内枠なのだが、ファンの支持に応えているとはいえない内容。中枠はハッキリと成績不振で、内容的には外枠である馬番13〜18番が「断然」といえる。脚質面は、とにかく「速い上がりが出せるかどうか」が超重要。オークスの最速上がり馬は[7-3-2-1]と、パーフェクトに近い結果を残している。前走や2走前をチェックして、3位以内の上がりをマークできているかどうかを確認したい。

 あとは、キャリア5戦以内の馬が圧倒的に強く、キャリア6戦以上の馬とではかなり大きな成績差があること。桜花賞組が順当な結果を残しているレースながら、忘れな草賞がやたらと強いこと。クラシックらしく、鞍上が継続騎乗する馬のほうが格段に信頼度が高いことなども、取捨における重要なポイントとなるだろう。

 データ特注推奨馬は、1着候補としてステラリア、2〜3着候補としてはユーバーレーベンと、2頭を推奨。「1番人気が強いんとちゃうんかいっ!」とツッコミが入りそうだが、ソダシを特注推奨馬にあげないのには、ちゃんと理由がある。詳しくは後ほど。

【コース総論】東京芝2400m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気を筆頭に人気サイドが強いコース。穴は10〜12番人気が断然狙い目。
★平均人気の差が大きいとはいえ、内枠の内容は優秀。回収値の高さも目立つ。
★やや先行勢が優勢も、勝ち負けには決め脚の鋭さが高いレベルで要求される。





 いわば“最強”を決める舞台である、東京の芝2400m。オークス週までは、引き続きBコースでの開催となる。ホームストレッチの坂を上りきったあたりがスタート地点で、最初のコーナー進入までは約350mと、ある程度の距離がある。序盤はそれなりのペースで流れるが、中盤に入るとかなり緩む場合が多い。最後の直線は500m以上という長さで、ペース次第では差しや追い込みも十分に届く。

 まずは人気別成績から。能力をキッチリ発揮できる舞台というのもあって、基本的には人気サイドが強いコースだ。それをよく表しているのが1番人気の成績で、[12-7-6-10]で勝率34.3%、連対率54.3%、複勝率71.4%と超優秀。データ母数が少ないのもあるが、それにしても素晴らしい内容である。実際にオークスでも、1番人気は文句なしの成績を残している。

 人気薄では、7〜9番人気がなぜか大不振。さらに人気がない10〜12番人気のほうが高信頼度かつ高回収率という、逆転現象が起きている。人気サイドが強いことによって、もっとも割を食っているのが、7〜9番人気なのかもしれない。さすがに13番人気以下となると期待薄なので、穴では10〜12番人気を重視するのがオススメだ。

 次に枠番データだが、内枠である馬番01〜06番の強さが目立っている。数値の高さは勝率、連対率ともに頭ひとつ抜けている印象で、複勝率に至っては「断然」といえるほど。平均人気差が非常に大きいので、内枠が好成績で当然ではあるのだが、それにしても強い。東京芝はよく知られているように、時期によっては「極端に内が強い」バイアスとなるが、それが大きく影響しているのかもしれない。

 最後に脚質だが、こちらは「一応は先行勢優勢」といったところ。なぜ曖昧な表現になったかといえば、上がり3F順位の上位馬が圧倒的な強さを見せているからだ。データ集計対象である24レースのうち、じつに18レースまでを、上がり最速〜2位の馬が勝利。つまり、勝ち負けには決め脚の鋭さが高いレベルで要求されるということだ。組み合わせやペース次第では、当然ながら差し優勢にもなりうる。

【レース総論】優駿牝馬(GI) 東京過去10回

・レースの要所!

★コースデータと同様に人気サイドが強い。ヒモでは7〜9番人気が狙い目か。
★内枠が過剰人気で中枠が成績不振。結果として外枠狙いはかなりオイシイ。
★最速上がりが出せそうな馬は絶対に買い。前走上がり3F順位は要チェック。
★忘れな草賞組の強さは特注レベル。キャリア5戦以内の馬や継続騎乗組も○。










 オークスの平均配当は、単勝996円、馬連8983円、3連複1万2372円と、やや高めの水準。一昔前は、エリンコート(2011年・7番人気)やメイショウマンボ(2013年・9番人気)など、人気薄が勝つことが多く、高配当も出ていたレースだ。しかし、近年は順当決着傾向が強まってきている印象で、2016年以降は1番人気が5連勝中。人気薄の2〜3着はあっても、1着はないレースと化している。この傾向は、おそらく今年も継続するだろう。

 ただし、ヒモ荒れ傾向は近年になって加速している印象も。ふたケタ人気馬はトータル[0-1-1-86]という冴えない結果に終わっているが、馬券に絡んだ2回は、昨年のウインマイティー(13番人気3着)と一昨年のカレンブーケドール(12番人気2着)なのだ。そもそもの成績がイマイチなので強くは推せず、人気薄ならば7〜9番人気を狙ったほうがオイシイと思われるが、一応は頭に入れておきたいデータといえる。

 次に枠番だが、こちらは内枠有利だったコースデータとは「真逆」の結論となった。いっけん内枠の成績がいいように見えるが、これは内枠に人気馬が偏って入ったうえでの結果。7.7という平均人気の高さを考えると、まったくもってもの足りない。また、中枠である馬番07〜12番は、信頼度の回収値の両方が低いという、見るからにイマイチな結果。ギャップ値こそ高いが、かなりの割引が必要となる内容だ。

 となると、結論は「外枠有利」。その裏付けとなるのが、ひとケタ人気に限定した枠番データである。外枠である馬番13〜18番は、連対率30.8%、複勝率42.3%という、素晴らしい結果を残している。複勝回収値も118という高さで、爆発力も文句なし。評価の序列をつけるならば「外>内>中」の順となる。外枠を理由に人気を落とすような馬がいれば、それは逆に狙い目なのである。

 次に脚質面だが、後方からの追い込みが届いているところ以外は、おおむねコースデータどおり。注目すべきは、最速上がりをマークした馬が[7-3-2-1]と、パーフェクトに近い結果を残している点だ。決め脚の要求レベルが高いコースであるのはすでに解説したが、オークスではその傾向がさらに加速。最速上がりを出せる可能性がある馬は、それだけで「買い」だ。

 問題は「最速上がりを出せそうな馬」のあぶり出しだが、アテになるのはやはり、前走での上がり3F順位。過去10年の勝ち馬のうち、前走での上がり3F順位が4位以下だったのは、ソウルスターリングとメイショウマンボの2頭しかいない。ちなみに、前走だけでなく2走前でも速い上がりを繰り出しているようならば、信頼度はさらにアップ。ただし、前走が条件戦だった馬は全滅しているので、うっかり高評価しないように注意したい。

 前走レース別成績では、忘れな草賞組の好成績が目立っている。出走数は少ないのだが、オークスに出てきた場合には超高確率で馬券に絡んでいるので、要チェックといえる。そしてフローラS組は、ダービーにおける青葉賞組のようなイメージ。2〜3着にはそれなりにくるが、この組が勝つのは10年に1回あるかないかというレベルの「椿事」だ。1着で買うのはナンセンスというのが、データからの見解となる。

 シンプルなネタだが効果抜群なのが、レースキャリアによる取捨選択。近年はぶっつけ本番など、極力レースを「使わない」スタイルが主流となっており、オークスに関してはキャリア5戦までの馬が圧倒的に強いという傾向がハッキリ見受けられる。そして騎手関連データからは、GIらしく継続騎乗組が圧倒的に強いこと、関東所属騎手の成績がイマイチであることの2点が、注目すべきポイントとなる。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、エピファネイア産駒、キズナ産駒をプラス評価の対象とした。もっとも高く評価するのは、ディープインパクト産駒を上回る信頼度の高さをマークした、ルーラーシップ産駒。また、出走数が少なくデータの過信は禁物だが、エピファネイア産駒が見せている適性の高さも相当なモノだ。一発の魅力があるのは、単勝適正回収値が猛烈に高いキズナの産駒か。

★特別登録馬 総論×各論

 桜花賞をレコードで圧勝して、世代最強であるのを改めて証明してみせたソダシ。桜花賞2着馬であるサトノレイナスがダービーに向かうことで、ここは一本かぶりの大人気になること、間違いなしだ。力が抜けているのは誰の目にも明らかとなると、桜花賞3着のファインルージュや、フローラSの勝ち馬であるクールキャットなどが果たしてどこまで迫れるか──というのが、おそらく争点となることだろう。

 とはいえ、オークスでのソダシには、大きな懸念材料がある。それは、「クロフネ産駒」ということだ。近年だとアエロリットが同じタイプだったが、本質的に「距離は2000mまで」というタイプがほとんどで、芝2400m以上で重賞を制したクロフネ産駒は、過去に1頭たりとも出ていない。ダービー3着のブラックシェル、オークス3着のホエールキャプチャといった好走例こそあるが、距離延長が割引であるのは確実だ。

 また、オークスが「中盤のペースが緩んでの瞬発力勝負になりやすい」というのも、先行タイプのソダシにとっては懸念材料となるはず。ホエールキャプチャのような差し・追い込み脚質ならば対応可能だが、アエロリットや本馬のような「前々でスピードと持久力を生かすタイプ」だと、キレ負けする可能性が十分にある。そういう流れになるレースだからこそ、上がり最速馬が[7-3-2-1]と猛烈に強いのである。

 歴史的名牝となりつつあるソダシだけに、すべてが杞憂に終わるかもしれない。それでも、ここではアタマ鉄板とまではいかないのではないか──というのが、データ分析の結果だ。最後の直線で、ソダシを差せる可能性のある馬を探す。そして、その馬の「単勝」や1着付けの馬券で勝負するのを、ここはオススメしたい。

 トップ評価は、忘れな草の勝ち馬ステラリア。デビュー戦をのぞき、すべて最速上がりをマークしているという、いかにもオークスに向きそうなタイプだ。出走してくれば高確率で好走している忘れな草賞組で、このコースでの爆発力があるキズナ産駒というのも魅力的。キャリア6戦であることや、鞍上の乗り替わりなどマイナスに評価した項目もあるが、それでもソダシを差せる可能性がもっとも高いのはこの馬だろう。

 二番手評価にソダシ。前述したように距離適性が懸念材料となるが、能力に関しては言うまでもなくトップ。類い希なる勝負根性の持ち主で、もし直線での追い比べになるようならば、根性や底力で距離を克服するケースも考えられる。あとは単純に「適性を能力でカバーして楽勝」というパターンもあるか。アッサリ勝って、筆者のようなへそ曲がりをぐうの音も出ないほど叩きのめしてほしい気持ちもある。

 三番手評価にユーバーレーベン。こちらもキャリア6戦というのが割引材料ではあるのだが、距離延長はまったく問題ないはずで、スムーズに追走できる外枠が引ければ、なおのこと面白そう。乗り難しさのあるタイプでもあるので、広々としたコースに替わるのもいい方向に出そうだ。買い材料は豊富だが、それでもソダシを逆転できるところまでいけるかどうかは微妙なところ。2〜3着では、かなり厚めに狙っていきたい。

 以下はファインルージュ、クールキャットという評価の序列。なんだかんだで、ソダシが上位に食い込むのは確実と思われるので、相手候補はかなり絞る方向にした。あくまで現時点での考えだが、枠番や人気によっては、絞りに絞りきった3連単で勝負してみるのもアリか。いずれにせよ、このレースの“主役”がソダシであるのは間違いない。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



なぜトップ評価から買わない(#^ω^)ビキビキ

 トップ評価だった15シュネルマイスターが、前で粘る10ソングラインをギリギリ差しきったところがゴール。ルメール騎手ってホント巧いよなあ……と、改めて思った次第でございまする。それとは対照的に、馬券のド下手さに定評のある筆者は、二番手評価の人気薄01レイモンドバローズから流す馬券で勝負して轟沈。落馬した04バスラットレオンからの馬券も買っていたのは秘密ダヨ(逆神か)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2011年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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