毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
4週目に入った東京競馬場の芝コースは、先週までのAコースから内3m地点に内柵を設置したBコースに変わった。柵の設置で先週までの内寄りの傷みは大方カバーされたが、3〜4コーナーと正面直線の内寄りに部分的な傷みが残っている。土曜午前7時のJRA測定のクッション値は「9.9」(標準)。木曜に雨は降ったが、その後の好天もあり、土曜は良馬場で終日行われた。
先週NHKマイルC(勝ち馬シュネルマイスター)で1分31秒6の好時計が出たが、時計が出やすい状況は今週も続いている。土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「11番手、9番手、2番手、5番手、2番手」とバラエティーに富んでいた。Bコース替わり1週目といっても内主導でなく、状況次第で中〜外から差しも届いている。
4R・3歳未勝利戦(芝1400m)は4コーナー11番手にいた6番人気フロスティクォーツ(父ロードカナロア、母の父ディープインパクト)がメンバー最速の上がり3F33秒7で外から届いた。勝ち時計1分21秒2。4コーナー3番手から内ラチ沿いに進路を取ったルメール騎乗の1番人気アークライトが2着。先週の土、日曜は「中〜外伸び傾向」もあったが、ルメール騎手の進路取りをみても、今週はラチ沿いを狙える状況なのかもしれない。
5R・3歳未勝利戦(芝1800m)は4コーナーで外の9番手にいた1番人気シテフローラル(父ディープインパクト)がこれも外から伸びて快勝。上がり3F33秒6はメンバー最速。人気通りといえばそれまでかもしれないが、やはり瞬発力重視の舞台設定といえる。
11R・京王杯スプリングC(芝1400m)はレース前半3F34秒3〜同後半3F34秒3の平均ラップ。1番人気で制したラウダシオン(父リアルインパクト)は4コーナー2番手から快勝。勝ち時計1分19秒8は、コースレコードと0秒4差。勝ち馬以上に注目したいのは、2着の10番人気トゥラヴェスーラ(父ドリームジャーニー)かも。4コーナー14番手から「上がり3F32秒5」の極限の脚で2着に飛び込んだ。とにかく切れる脚が使える馬が活躍している。
日曜の天気は徐々に下り坂。万が一、雨の降り出しが早まるようだと影響を及ぶ可能性はあるが、予報通りなら何とかもちそうな気配。こうなると、土曜同様に高速決着。ヴィクトリアマイルは「1分30秒台後半〜1分31秒台前半」に突入する可能性は高い。速い持ち時計もある人気のグランアレグリアには最良の設定か。