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【日本ダービー予想】エフフォーリアに心強い2つのデータ

  • 2021年05月29日(土) 18時00分
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もう一方の注目馬、サトノレイナスに死角があるなら…


 日本ダービーは数あるGIの中で、人気馬が大活躍のGI。過去30年、1番人気馬は【17-4-4-5】。勝率は約57%に達し、「1、2着」した60頭のうち、70%に達する42頭を上位3番人気以内の馬が占めている。

 もちろん波乱の年もあるが、人気馬の強い理由は、大半が「桜花賞1600m→オークス2400m」の牝馬と異なり、多くの候補が2000m級を中心に歩んできたこと。かつ、有力馬はきびしい中身の皐月賞2000mを経験してもいる。

 人気のエフフォーリア(父エピファネイア)は一戦ごとに2着馬との着差を広げ、皐月賞は粘るタイトルホルダー以下に決定的ともいえる3馬身差だった。グレード制成立の1984年以降、3馬身差以上で皐月賞を勝ったのは、1985年ミホシンザン、1994年ナリタブライアン、2011年オルフェーヴルの3頭。この3頭、日本ダービーを(不出走、1着、1着)、菊花賞は(1着、1着、1着)。出走したクラシック全勝である。

 また、1984年以降、エフフォーリアと同じような無敗の皐月賞馬は、日本ダービーで【5-0-0-1】の記録もある。4着に沈んだ2019年のサートゥルナーリアは、このときテン乗り(海外騎手)であり、のちの天皇賞(秋)でも凡走して東京コースに死角があった。

 ビッグレースでの乗り替わりは珍しくないが、日本ダービーをテン乗り(乗り替わりの初騎乗)で勝った馬は、1954年のゴールデンウエーブが最後。以降はない。今年、テン乗りのコンビが8頭(組)もいる。決してジンクスとは思えないのでチェックしたい。

 エフフォーリアの血統図には、父エピファネイア、その父シンボリクリスエス、母の父ハーツクライ。なぜか日本ダービー2着馬ばかりが並んでいる。でも、父の母シーザリオはオークス馬。その父スペシャルウィークは日本ダービー馬。

 日本馬に限らなければ、父エピファネイアの3代父ロベルトは英ダービー馬であり、ハーツクライの父トニービンは凱旋門賞馬。2400m(12F)級を理想とする名馬が並んでいる。距離にはまったく不安はない。

 血統図に「4×3」のクロスで登場するサンデーサイレンスは、サンタアニタダービーとケンタッキーダービーを連勝し、のちにスーパーダービーも制した米ダービー王だった。

 相手の人気は変動しているが、サトノレイナス(父ディープインパクト)の16番枠は、もまれたくない牝馬であることを考えると、ルメール騎手が心配するほど不利な枠順ではないと思える。死角があれば、距離延長有利とされるが牝馬限定の1600m戦以外には出走していないことだろう。ウオッカは牡馬相手の1800mを含み日本ダービーまで【4-2-0-0】だった。

 皐月賞を4着にとどまったアドマイヤハダル(父ロードカナロア)は、最後に鈍ったあたり2400mベストとはいえないが、大跳びで明らかに東京向き。ディープインパクト産駒の母は、名牝スイープトウショウの半妹。人気急落でも評価を下げたくない。

 この2頭を相手本線に、皐月賞2着でも変わらず評価の低いタイトルホルダー(距離延長は歓迎)、急上昇グレートマジシャン、シャフリヤール。前走の中京2200mの2分11秒2(自身の上がり35秒3)は、2400mなら十分2分23秒台に相当する時計のレッドジェネシスが侮れない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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