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好調持続、ホッカイドウ競馬

  • 2021年06月03日(木) 18時00分

驚異的な売上を記録した昨年を上回るハイペース


 先週木曜日、5月27日のホッカイドウ競馬は、今年初めてとなる交流重賞「北海道スプリントカップ」(JpnIII、1200m)が行われ、3番人気のヒロシゲゴールドが、圧倒的1番人気に支持されていたリュウノユキナに2分の1馬身差をつけ、1分12秒3のタイムで優勝した。

生産地便り

▲▼北海道スプリントCは北村宏司騎手騎乗のヒロシゲゴールドが優勝


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 新型コロナの感染拡大が深刻な北海道は、5月16日に緊急事態宣言が発出されたことを受け、ホッカイドウ競馬でもやむなく無観客開催に踏み切ったため、この日は昨年に引き続き、スタンドからの声援のない寂しいレースとなったが、コース上では14頭による熱い戦いが展開し、見ごたえのあるレースが現出した。

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見ごたえのあるレースが展開された


 この日は、1日で10億6828万920円を売り上げ、昨年の同レース実施日である6月4日の10億2959万5480円をわずかに上回る好成績であった。そして、今年になってから、これで二度目となる売り上げ10億円オーバーを記録した。

 4月14日に開幕した今年のホッカイドウ競馬の、これまでの1日当たりの馬券売り上げの最高記録は5月4日コスモバルク記念の日の、11億3885万1170円。昨日までの時点で、4開催16日間を消化しているが、開催毎の売り上げは以下の通りになる。

 第1回4月14日〜4月22日4日間 20億5394万円
 第2回4月28日〜5月5日 4日間 32億8952万円
 第3回5月12日〜5月20日4日間 26億6645万円
 第4回5月25日〜6月2日 4日間 26億7961万円

 本日も開催が行われており、メインは第58回赤レンガ記念(2000m)が組まれている。したがって現時点での16日間での合計しか算出できないが、上記の数字を概算でまとめると、106億8952万円。千円単位は省略しているので、末尾の数字はややこれよりも大きくなるだろうが、とにかく、年間の開催日数82日間の約2割を消化した段階ながら、すでに売り上げは100億を突破している。

 昨年、ホッカイドウ競馬は周知の通り、年間520億円という驚異的な売り上げを記録して閉幕したが、春先の数字はあまり芳しいものではなかった。

 昨年の場合は以下のようになっていた。

 第1回4月15日〜4月23日 4日間 23億2222万円
 第2回4月28日〜5月6日  4日間 24億1569万円
 第3回5月13日〜5月21日 4日間 16億6318万円
 第4回5月26日〜6月4日  5日間 32億8190万円

 ここまでの17日間の売り上げ概算は、96億8299万円。つまり今年は、昨年よりもさらに数字を大きく伸ばしていることが分かる。開幕週とその翌週の第1回開催こそ、昨年の方がわずかに売れていたものの、第2回以降の比較では、いずれも今年の方がより数字を伸ばしている。

 現時点での1日平均の売り上げ額は、割り算すると、約6億6809万円。これまでは、昨年の520億円があまりにも突出した数字で、コロナ禍によるステイホームと、飲食、旅行、イベントなどに使われていたお金が在宅で楽しめる地方競馬の馬券購入に回っていた結果であり、あくまで一時的なものという分析が一般的であった。

 しかし、今年も依然として新型コロナ禍は一向に終息の気配がないまま今に至っており、それがホッカイドウ競馬には結果的に大きな「追い風」となっていることは何とも皮肉な現象と言わざるを得ない。

 ともあれ、このままで推移して行けば、昨年の520億円を更新する可能性すら現実味を帯びてくる。来週以降、残すところ65日間の開催を何とか順調に乗り切って欲しいと思う。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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