土曜日の小倉12Rでは、12番人気のフチサンメルチャンで激しい2着争いを制し、大いに馬券を盛り上げてくれた小牧騎手。「次も1000mならチャンスあり」とのことで、引き続き目が離せません! 「残念やった…」と振り返ったのが、久々の重賞騎乗となったプロキオンS。レース回顧とともに、“結果”に懸けた思いを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
火曜日からみっちり調教……なんとか結果を出したかった
──先週は、土曜日12Rのフチサンメルチャン(12番人気2着)で馬券を盛り上げました。
小牧 上手いこと乗れて、ハマりました。やっぱり1000mがよかった。相手がちょっと強かったけどね。
──勝ち馬(フリード)は抜けてましたね。
小牧 うん。際どかったけど、なんとか2着にきてくれてよかったです。おかげで赤字にならずに済んだし(笑)。なんせ一鞍入魂やったから。次も1000mならチャンスがありそうやね。
──今さらですが、フチサンメルチャンの調教はBコースとCWが中心で、坂路は一度も使っていません。どういった理由があるのかなと思いまして。
小牧 一生懸命走りすぎるからちゃうかな。なんせ返し馬も必死に抑えながら乗ってますわ。離したら、バン!と行ってしまう馬やからね。でも、レースはすごく乗りやすい。とにかく一生懸命走るんです。だから1000mがいいんやろうね。
──続いては、ナムラカメタローとのコンビで挑んだプロキオンS。久々の重賞騎乗となりましたが…。
小牧 ん~、ダメだったね(14着)。やっぱり、砂を被ったらもうひとつで。向正面でね、上手く外に出して思った通りの競馬はできたんやけど、なぜか進んでいかへんかった。外からくるのはわかっていたし、外に出しやすい一番理想的なポジションになったなと思ってたんやけどね。
──砂を被らないように…という思いで進路を選択されてるんだなと思いました。
小牧 そうそう。でも、向正面で外に出した時点で手応えがなくなったね。初めて乗ったから、それがなぜなのかわからないけど…。早めに栗東入りしてね、火曜日からみっちり調教を付けて迎えたレースだったから、なんとか結果を出したかった。厩務員さんも助手さんも、素晴らしい方たちでね。本当に一生懸命にやっていて、そういう姿を見て、より結果を出したいなと思ってた。ちょっと残念やったね。
──調教の段階では、どんな感触を?
小牧 ちょっとハミをさらうようなところがあったり、ピリピリしている雰囲気もあったけど、いい感じやったよ。乗っている感覚以上に時計が出ていてね。
──走る馬の特徴ですね。
小牧 うん。今回は、力を出し切れずに終わってしまった。もっとやれるはずやから、もう一度チャンスがほしいね。
──では、質問をふたつほど。「いよいよディープインパクト産駒が最後の世代(2020年生まれ)となりました。小牧騎手とディープインパクト産駒といえば、サトノルパンやダコールが思い浮かびますが、小牧騎手が一番思い出に残っている馬はどの馬ですか?」
小牧 あの飛んでいくような、いかにも“ディープインパクトの仔”っていう馬には乗ってないからなぁ。
── ディープ産駒で一番騎乗回数が多いのはサトノユニコーン(20回騎乗)、一番勝っているのはヴィクトリースター(3勝)です。
小牧 ああ、どちらも弾けるというよりしぶとい馬やねぇ。そうやなぁ、いかにもディープっていう馬で思い浮かぶのは、ワールドエースくらいかな。
──個人的には、NHKマイルCで2着したコティリオンが印象的です。
小牧 ああ、コティリオンね。能力はあったけど、ものすごく乗り難しい馬やった。左にモタれたり、とにかく癖があって。だから、最後方からとか、そういう競馬をしたんやけどね。
──続いては、「ムチの使用法で制裁を受けている騎手が多いような気がしますが、具体的に何をどうしたら制裁対象になるのですか?」という質問です。
小牧 連続して10回叩いたら制裁や。僕はあんまり叩かんほうやけど、去年一度だけ制裁をもらった。
──小牧さんが10回も叩くなんて本当に珍しい。
小牧 うん。僕はあんまり連打せんから、本当にその一度だけ。ほかにもいろいろあるけど、わかりやすいところでは、腕を高く振り上げるのもダメ(肩より上方に腕を上げての使用はNG)。動物愛護の観点から、ムチの使い方は本当に厳しくなってる。制裁をもらわんよう、気を付けなアカンね。