競馬専門紙「馬サブロー」が誇るパドックの達人・吉田順一トラックマンにクイーンS出走予定馬の中から6頭の馬体診断を行っていただきました。
(デイリースポーツ 馬サブロー・吉田順一)
シゲルピンクダイヤ栗東・渡辺薫彦 牝5
▲7月22日撮影
体重の変動が大きいが、骨格自体はデビューから変わっておらず時期や臨戦過程の影響か。今回はあばらが見えず少しメリハリを欠くが、北海道までの輸送を考慮すれば少しゆとりを持たすのは当然か。手脚が長くスラッとしたトモ高体形で父産駒らしさはないが、馬体の資質から衰えはない。あとは1週前の攻めでも見せたような気難しさがどうしてもネックとなる。
シャムロックヒル栗東・佐々木晶三 牝4
▲7月21日撮影
少しトモが流れ気味で前腕のボリュームがあるため前が強いフォルムに映るが、牝馬にしては馬格がありパワーを兼備。つなぎの短さやクッション度の問題から速い脚が使えず、少し時計や上がりの掛かる設定でタフさを生かしたいタイプだ。波乱を演出したマーメイドS以来だが、意欲的な調整で仕上げに抜かりなし。馬の姿形や走法、脚元から洋芝の芝千八もベターだ。
テルツェット美浦・和田正一郎 牝4
▲7月21日撮影
小柄なディープ産駒の牝馬は、つなぎが短めで一瞬の脚に秀でたマイル以下の馬が多い。当馬もつなぎは短めだが、クッションがあり肩の角度も適性でそれなりにストライドを稼げる走法。距離の融通は多少利く。函館での調教本数は少なめだが、気のいいタイプで仕上がり早。少し前が強めの姿形だが、トモの丸みは及第点以上。あばらをうっすらと見せて態勢は整っている。