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2年振りに開催されたジョッキーベイビーズ北海道地区代表決定戦

  • 2021年08月04日(水) 18時00分

夢舞台への切符を手にしたのは…


 昨年、新型コロナ禍により、中止のやむなきに至ったジョッキーベイビーズ(=以下JB)が、今年は10月10日の最終12レース後に東京競馬場において開催される予定であるとJRAが発表したのは6月中旬のこと。それによれば、今年は長野地区予選がなくなり、北海道、東北・新潟、関東、東海、関西、九州、沖縄の計7か所で予選を実施し、最大7人によって東京競馬場で本選会を行う、ということである。

 すでに7月18日には東海地区予選が中京競馬場で行われており、吉田花凛さん(中1)が代表の座を射止めている。そして、去る8月1日(日)、ここ北海道浦河でもJB北海道予選が開催された。

 先月中旬を過ぎてから北海道は連日大変な暑さが続いており、冷涼な気候で知られる日高も例外なくかなりの高温に見舞われている。この日も、会場となるBTC周辺は、照りつける太陽光線に炙られて、軽く30度を超える気温であった。

 今年の北海道予選には8人がエントリーしてきた。出場選手は次の通り。

1.大西 釉陽(ゆうひ)
 ホースランチ大西 中1女子 騎乗馬ジャスタイェイ
2.冨菜 優心(ゆうしん)
 (有)チェスナットファーム 小5 騎乗馬 櫻(さくら)
3.小林 莉翔(りと)
 サンバマウンテンファーム 小4 騎乗馬 ジロー
4.山本 壮亮(そうすけ)
 浦河ポニー少年団 小6 騎乗馬ハク
5.広瀬 仁乃(じんの)
 浦河ポニー少年団 小6 騎乗馬サンジ
6.近藤 百恵(ももえ)
 浦河ポニー少年団 小5 騎乗馬ロビン
7.米川 虎汰郎(こたろう)
 浦河ポニー少年団 小5 騎乗馬レグルス
8.大池 由起菜(ゆきな)
 浦河ポニー少年団 小4 騎乗馬ルフィ

 この8人をまず抽選で2組に分割し、予選を行なう。その結果により、それぞれ上位2人ずつの計4人で決勝を行ない、優勝者が東京への切符を手にするという選抜方式だ。

 コースは、BTCの屋内1000mウッドチップコース。北から南に向かってスタートし、250m地点にゴール板を置く。

生産地便り

この屋内直線コースを使用する


 従来、JB北海道予選は外の馬場で実施されていたが、今年は、2年ぶりのJB予選であり、全体的に練習量が不足気味であるとの事情に考慮して、この屋内直線コースを使用することになったという。屋内コースならば馬が逸走する心配がないことと、下がウッドチップなので落馬時にも怪我をするリスクが軽減されるという利点がある。

 また距離の250mは、そもそもこの屋内1000mコースの途中3か所に非常扉が設置されており、それが250mおきになっていることに理由がある。人馬に事故でもあれば、その非常扉(かなり大きく緊急車両が出入りできるサイズだ)を使って緊急事態に対処もできるわけである。人間だけが出入りする小さなドアもそこについている。

 午前9時半に会場近くのBTC乗馬厩舎詰所に到着すると、すでに説明会が始まっており、出場選手たちに名前入りのゼッケンが手渡される場面であった。

生産地便り

予選の説明会の様子


 説明会の後、8人に並んでもらい、記念撮影をした。1番大西さんは道東・中標津町からのエントリー。また3番小林君は日高町からの出場。それ以外の6人は地元浦河の子たちである。

生産地便り

北海道予選に出場する選手8人


 予選は10時20分と30分にそれぞれ行われた。

 まず第1組は2番冨菜優心君が1着、2着が4番山本壮亮君。以下3着が7番米川君、4着が8番大池さんという着順である。

生産地便り

第1組


 続いて行われた第2組は、1着が5番広瀬仁乃君、2着が3番小林莉翔君。以下3着に6番近藤さん、4着に1番大西さんという着順であった。この結果、2番冨菜君、4番山本君、5番広瀬君、3番小林君の4人が決勝にコマを進めることになった。

生産地便り

第2組


 当初はたっぷりインターバルをとって12時半に決勝レースを実施する予定だったが、折からの晴天高温も考慮して、予定を早め、11時15分に前倒しして実施することに決まった。また、決勝の前には、予選で敗退した4人によるレースなども行われた。

 決勝レースも同じく250mで実施され、激しい追い比べの末に、優勝したのは2番の冨菜優心君、2着が3番小林莉翔君、3着が4番山本壮亮君、4着が5番広瀬仁乃君という着順でゴール板を駆け抜けた。

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JB北海道予選決勝の様子


生産地便り

第12回ジョッキーベイビーズの招待状を手に持った冨菜優心君


 優勝した冨菜君は小学校5年生。乗馬歴2年で今回初めてのJB予選出場だったが、愛馬「櫻」号に騎乗して見事に代表の切符を手にした。レース後、冨菜君は目に涙を浮かべながら「ゴールした瞬間は、とてもうれしかったです。強い馬がいると聞いていたので少しビビッていたのですが、勝ててよかったです。櫻には、頑張ったねと声をかけてやります。櫻は初めての場所に来ると物見するところがあるのですが、今日のレースではちゃんと折り合ってくれました。東京競馬場の本選会では、みんなに納得してもらえるような結果を出したいです」としっかりとした口調でインタビューに答えていた。

生産地便り

インタビューに答える冨菜優心君


生産地便り

表彰式に並ぶ選手たち


 この後、今月9日には九州地区、19日には東北・新潟と関東の両地区が合同で、そして、22日には関西地区と沖縄地区でそれぞれ予選が行われることになっている。

 それで7人の代表が揃うわけだが、気になるのは首都圏でのコロナ感染拡大だ。予選を終えたのであれば、何とか東京競馬場での本選会もそのまま予定通りに、無事開催されることを願うばかり。その意味でも、今後の感染拡大の状況が何とも気になる。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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