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月曜日からアルコール抜き! 小牧騎手、52キロでの騎乗に向けて準備

  • 2021年08月10日(火) 18時01分
先週は、3週間ぶりの騎乗となった小牧騎手。結果は残念でしたが、「久しぶりに気持ちよかった」と明るい声で報告してくれました。さて、今週はすでに52キロでの騎乗が決定。だいぶ前から備えているようで、はたしてその取り組みとは!? また、前回に続き、小牧騎手の琴線に触れたオリンピックの1シーンを明かしてくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。

一瞬の出来事が一生頭に残る……内村航平選手の気持ちが想像できた


──先週は、3週間ぶりの実戦となりましたね。

小牧 うん。久しぶりに気持ちよかったね。天気もよかったし、土日ともに芝のレースで、キレイないいターフやった。あとは、もうちょっといい成績を残せたら言うことなかったんやけど…。日曜日のテーオーハーバード(新潟3R・3歳未勝利・芝1600m・14番人気18着)はタイムオーバーで、土曜日のワンダースパイン(新潟4R・3歳未勝利・芝2000m・16番人気14着)ももうひとつやったね。

──土曜日のワンダースパインは、直線で一瞬くるかと思ったんですが、その後はちょっと追いづらそうな感じで。

小牧 左にササって、最後はバテてしまった。まだ未勝利戦は残っているけど、なかなか出られへんもんねぇ。もちろん、入れば精一杯頑張るけどね。テーオーハーバードはタイムオーバーになってしまったから、残念やけど、もう使われへんね(タイムオーバーによる出走制限のため、9月8日まで平地競走に出走できない)。

──テーオーハーバードは、ずっと小牧さんが調教をつけていた馬。満を持しての騎乗かと思って、注目していたんですけどね。

小牧 追い切りは動くんやけど、体がついてこない。上がってきたときは、苦しがってたよ。

──さて、今週は日曜日の9R(筑紫特別・芝1200m)にセレッソフレイムが入ってますね。

小牧 うん。セレッソフレイム以外にも、今週は何頭かいるよ。

──それは楽しみです。ちなみに、セレッソフレイムは昨年5月のスペクター以来となる52キロでの騎乗となりますが…。

小牧 そうなの!? それは無理やわ…。断ります。

──またまた(笑)。だいぶ前からセレッソに備えて頑張っていること、(バレットで長女の)ひかりちゃんから聞いてますよ。

小牧 なんだ、知ってたんや(笑)。今日もね、もう走ってきたよ。

──最近は、藤井(勘一郎騎手)さんと一緒に走っているとか。

小牧 ああ、たまに藤井くんに誘われて、琵琶湖沿いを一緒に走ってます。すごく景色がキレイなんですわ。

──すっかり減量の師匠みたいになってますね。

太論

藤井勘一郎騎手と一緒に琵琶湖沿いを走る小牧太騎手(ご本人提供)


小牧 お互い減量しているからね。体が大きいぶん、彼のほうが大変やわ。今日はもう走ってきたし、これから風呂に行って汗取りや。今週は今日(月曜日)からアルコール抜きです。

──小牧さん、まだ月曜日ですよ!?

小牧 そこまでしなくても落とせるけど、なんせ楽に落としたい。ギリギリまで追い込むような、しんどい思いはしたくないからね。だから、昨日は家で飲み納めしました。案の定、飲み過ぎた(苦笑)。

──52キロと53キロは、そんなに違うんですね。セレッソフレイムには2週連続追い切りに騎乗されていますが、動きはいかがですか?

小牧 うん、もう仕上がったよ。今のところは落ち着いていて、いい感じでした。もともとカリカリする馬なんでね、今週はソロっと乗ると聞いてます。2歳時は頑張っていた馬やから、久しぶりにいいところを見せたいね。

──では、ユーザーからの質問を。「いつも楽しく読ませてもらっています。この前、柔道の高藤直寿選手に感動したとお話されていましたが、自分も『これが僕の柔道です』という彼の言葉にはジーンときました。毎日いろんな競技が行われていますが、高藤選手以外に印象に残った選手、競技があれば教えてください」。

小牧 いろんな競技を観たけど…。印象に残ったのは、体操の内村航平選手とかね。ホンマに可哀想やった。あの日のために、鉄棒一本に絞って5年間苦しい思いをしてきて、なんでこんな結果になるねんて…。たぶん本人は、「夢ちゃうか!?」と思ったんじゃないかな。同じレベルとは言わないけど、ある意味、僕らもそういうことを繰り返しているから。一生懸命考えてレースに臨んだのに、出遅れたり、ビリになってしまったりとかね。

──これでもかというくらいシミュレーションしたのに、まったく違う展開になってしまうこともありますよね。

小牧 あるある。僕たちの場合、しょっちゅうやけどね。そういうときは本当にガッカリするから、内村選手の気持ちを想像することができた。競馬にしても、人生という括りで考えたら一瞬の出来事やけど、その一瞬が一生頭に残る。たぶん、これからも自分のなかで葛藤していくんやろうなぁ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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