今年は誰も経験したことのない夏に

　5月15日更新の当コラムに、雨にまつわる話題を書きました。覚えていらっしゃいますか？

　今年、九州南部が梅雨入りしたのは5月11日。これは1956(昭和31)年の5月1日に次いで2番目に早かった、とのこと。同年には、春の中央競馬が毎週のように雨に見舞われた、とか、プロ野球パリーグの日程が秋までメチャメチャになった、とか、そんな話を書いたのです。

　それ以来となる“梅雨入り記録”を作った今年は、経験したことのない夏になってしまいました。今月中旬あたりから西日本を中心に各地で豪雨が続き、先週14、15日の佐賀競馬は中止。そして、甲子園の高校野球がとんでもない事態に陥っています。

　ただでさえコロナ禍でたいへんな時にこの悪天候。来年になったら“フツウ”の状態に戻るよ、なんていうことは言えません。いろんなことが重くのしかかっているようで、気が滅入ってしまいます。でも、豪雨で大きな被害を受けた方やコロナで苦しんでいらっしゃる方も多いわけですから、無事でいられることに感謝しなきゃいけないでしょうね。

　さて、話はガラッと変わります。競馬ファンのみなさんにはあまり影響のないことですが、18日、JRAの本部が移転したそうです。

　もともと東京・港区の西新橋にあったのが、周辺の再開発のため、数年前から六本木に“仮住まい”していました。このたび新しいビルが完成して、元の場所に戻ったわけです。

　これに伴って、新橋駅近くにあったGateJ.が今月31日をもって閉館となります。こちらは、“ターフィーショップ”も併設されていたので、来場された方もいらっしゃるはず。今はコロナで閉鎖中で、再開されることなくそのまま閉館の日を迎えてしまいます。

　かくいう私、新橋GateJ.サンにはずいぶんお世話になりました。ばんえい競馬教室や、園田・姫路競馬の吉田勝彦アナウンサーをお招きしてのトークショー、文化放送の日本ダービー+有馬記念イベント、そして、「競馬と鉄道」でJRA賞馬事文化賞を頂戴したときのグリーンチャンネル「草野仁のGateJ.プラス」公開収録などなど・・・。あのステージには数多く立たせていただきました。

　それと、実はステージ裏のほうには、競馬に関する資料や書籍、雑誌などを収蔵するJRAの図書室があったのです。

　元はと言えば旧本部ビル内にあって、その時からたびたび利用させてもらいました(注・一般の方の入室はできません。あしからず)。

　GateJ.も図書室も、新本部ビルに移転するようです。ただし、それらがオープンするのはコロナが収まってから。GateJ.の閉鎖は仕方ないとして、図書室に入れないのは調べごと好きな私にとっては厳しい話。でもまぁ今は、ばんえい競馬教室や文化放送のイベントが、このまま自然消滅しないことを祈っています。