【札幌記念予想】ここを制し、歴史に残る名牝の仲間入りへ
伸び悩んだ時期を経て明らかにパワーアップ
途中から芝2000mになった札幌記念は、GIIになる以前から歴史に残る牝馬の勝利が多かった。1994年の勝ち馬ホクトベガは、ドバイで客死するまで16勝もした。1997、1998年に連勝したエアグルーヴ(ドゥラメンテの祖母)は、やがて巨大な牝系の核となった。
2005年に波乱の主役となったヘヴンリーロマンスは、続く天皇賞(秋)をさらに人気薄の14番人気で勝ち、2007年のフサイチパンドラはやがてアーモンドアイの母となった。
2014年のハープスターは3歳馬ながら5歳のゴールドシップを封じて勝ち、その秋には凱旋門賞に挑戦し6着に善戦している。
5歳牝馬ラヴズオンリーユー(父ディープインパクト)は、2019年のオークスを2分22秒8のオークスレコードで制している。しばらく勝ちあぐねたが、今春の京都記念(阪神2200m)を今回も対戦するステイフーリッシュ以下にコースレコードと0秒3差の2分10秒4で快勝した。レースの中身はバランス抜群の「59秒3-(11秒9)-59秒2」。2000m通過1分58秒2の素晴らしい内容を差し切って、復活を告げた。
初の海外遠征となった3月のG1ドバイシーマクラシック(2410m)は「クビ、クビ」差の3着だが。2着は続く宝塚記念を快勝した同期の最大のライバル=クロノジェネシスであり、勝ち馬の4歳牡馬ミシュリフは、7月のキングジョージVI世&クイーンエリザベスSを2着(勝ち馬は今年の英ダービー馬アダイヤー)した。さらに今週18日には、英G1インターナショナルS(約10F)を快時計で独走している。
前走のG1クイーンエリザベスII世C(香港2000m)を快勝したラヴズオンリーユーは、完全復活となった。伸び悩んだ4歳時を経て、明らかにパワーアップしている。
同じ5歳牝馬クロノジェネシスは、アダイヤーや、信じがたい内容で連勝を続けるスノーフォールの待ち受ける凱旋門賞に挑戦する。一方、ラヴズオンリーユーは米のBCフィリー&メアターフに挑戦の可能性が大きい。
白毛の3歳牝馬ソダシの秘める資質は侮りがたいが、近年の歴史に残る名牝の仲間入りは、ラヴズオンリーユーの現5歳世代の方が一歩早いと思える。同厩舎のステイフーリッシュ、ソダシが相手本線。
大接戦になりそうな「北九州記念」は、前走、6歳にして初の挑戦となった1200mを1分07秒3(33秒5-33秒8)で快勝したジャンダルム(父Kitten's Joyキトゥンズジョイ)の連勝に期待したい。ハイペースから接戦の差し比べは大歓迎だろう。