▲ご無沙汰しております、古川奈穂です! (提供:古川奈穂騎手)
藤田菜七子騎手以来、5年ぶりのJRA女性騎手として、今年3月にデビューした古川奈穂騎手(栗東・矢作厩舎)。初勝利から4週連続勝利を挙げるなど、順調な騎手人生を歩み始めていました。
しかし、4月25日の騎乗を終えたところで左肩に違和感を感じ、治療に専念することを発表。5月11日に手術をし、リハビリとトレーニングを経て、秋競馬での復帰が見えてきました。
そんな古川騎手の復帰への道を追う、短期連載がスタートします! 初回のテーマは、リハビリとトレーニングについて。「悶えながら耐えました…苦笑」という、日々のトレーニングをご紹介します。
最初は50回×4セットで足がプルプル(笑)
ご無沙汰しております。古川奈穂です。
今回、netkeibaさんでコラムを書かせていただくことになりました。まず、このような場を設けていただいたこと、とても感謝しております。
休養して手術をするにあたっては、多くの方にご迷惑をかけたにもかかわらず、たくさんの方からたくさんの温かい言葉をいただきました。この場を借りまして、本当にありがとうございました。
コラムを書くのは初めてで、しっかりお伝えできるか不安もありますが、兄弟子の坂井瑠星騎手のコラムを参考にしながら、休養期間中のことや復帰に向けての動きなどを綴っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
初回のテーマは、手術から現在行っているリハビリとトレーニングについて。
手術前にnetkeibaさんに掲載していただいたコメントの通り、レースで100%のパフォーマンスを発揮するために手術をするという選択をしました。手術は5月の中旬に行い、現在はリハビリとトレーニングに入っています。
手術後2週間ほどは患部の炎症があり、肩を動かすことができなかったので、東京で下半身のバランスを整えるリハビリを行い、その後、滋賀に戻ってきました。術後1カ月は、専用の装具で肩を固定したまま生活していたので、それはもう不便で…。
1カ月も肩を固定していると、手術した部分以外も硬くなってしまうので、リハビリは肩を全体的にほぐすところから始まりました。
身体の深部の組織がかなり硬くなっていたので、ほぐすときに痛みが出ることもありましたが、そこがほぐれると肩の可動域がとてもよくなるので、悶えながら耐えました…(苦笑)。
▲肩の可動域が広がるまでは「悶えながら耐えました」 (提供:古川奈穂騎手)
トレーニングも、最初は肩を固定したまま自転車を漕ぐことくらいしかできませんでしたが、徐々にスクワットやバランストレーニングができるようになり、リハビリと並行して身体の正しい使い方を指導していただくトレーニングも行ってきました。
トレーニングのなかでキツかったのは、騎乗姿勢で行うスクワットです。筋肉を伸ばしきらないので筋肉痛にはならないのですが、やっている途中から乳酸が溜まってきて足が動かなくなります。
最初は50回を4セットやるだけでつらく、後半は足がプルプル(笑)。連続で120回できるようになったときはうれしかったです!
身体の使い方では、間違った使い方が癖になってしまっていたところもあり、今までと違う使い方を身体に覚えさせるのが難しかったです…。それでも次第に意識せずに正しい使い方ができるようになってきたので、感覚もかなり変わってきました。
手術した箇所が安定してきて、肩のトレーニングができるようになり、手術後に初めて腕立て伏せをしたときは、まったく腕立て伏せにならず、そのまま地面に潰れてしまって起き上がれず…。
筋力が落ちていることは覚悟していましたが、あそこまで力が入らないとは、かなりショックでした。ですが、負荷を調整しながら繰り返すうちに、徐々に筋肉が戻ってきた感じがあり、筋肉は裏切らないというのは本当なのだと痛感しています(笑)。
▲「筋肉は裏切らない」懸命にトレーニングに励む古川騎手 (提供:古川奈穂騎手)
今現在、リハビリとトレーニングをほぼ毎日行い、予定としては10月から調教騎乗を再開し、10月中の復帰を目指しています。復帰に向けてさらにトレーニングを重ねて、パワーアップして戻れるように頑張ります!