【新潟2歳S予想】父・リオンディーズの姿が重なる 差す形でも能力全開
母の父には豪州の名血が入る良血馬
新潟2歳Sはのちの重賞路線と結びつかないことが多いが、今年は素質を秘めた注目馬が多い。中間の快調教が光る馬も少なくない。
オタルエバー(父リオンディーズ)は今回と同じ新潟1600mの新馬を1分34秒6の時計で圧勝した。新潟1600mの新馬戦では、これまでにない最高時計だった。前半が無理のないマイペース(1000m通過61秒1)だったとはいえ、最後の直線は「11秒5-10秒7-11秒3」=33秒5。逃げ切ったというより、加速して4馬身も突き放している。
キングカメハメハ直仔の父リオンディーズは、脚部難(屈腱炎)で早期に引退したが、2戦目のGI朝日杯FSを最後方近くに控えて進みながら、上がり33秒3で猛然と差し切っている。
オタルエバーの初戦の後半の爆発力(33秒5)をみると、父と同じように、控えて差す形になっても能力全開が可能と思える。
リオンディーズは、エピファネイア、サートゥルナーリアと同様に女傑シーザリオ産駒の種牡馬。オタルエバーには、エピファネイア産駒のデアリングタクト、エフフォーリアと同じようにサンデーサイレンス「4×3」の必殺クロスが生じている。成長力十分だろう。少なくとも早熟系ではない。
母の父Redoute's Choice(その父デインヒル)は、計3回も豪州のチャンピオンサイアーになった名種牡馬。ブルードメアサイアーとしても豊富なスピードを伝え、日本では2020年の関屋記念を差し切ったサトノアーサー、2年連続して1600mのダービー卿CTを2着したキャンベルジュニアの母の父に登場している。
ダイワメジャー産駒らしく、高いマイル適性を新馬戦から発揮したセリフォスと、スケールを感じさせるアライバルが強敵。オタルエバーは人気の中心でもないから、揉まれない外を引いたグランドライン。さらにクラウンドマジック、牝馬のクレイドル、ウインピクシスにも手を広げたい。
札幌の「キーンランドC」は、立て直しに成功したメイケイエール(父ミッキーアイル)の短距離での巻き返しに注目。実戦になると行きたがる危険はあるが、この距離なら多少ムキになっても断然のスピード能力が生きる。あまりにも行きたがったから仕方なく行かせた桜花賞は、自身の1000m通過が56秒8。とても粘れるペースではなく、直線はムリせずに早々とレースを断念させている。大バテの18着ではない。
ミッキーアイル産駒はJRAでここまで通算32勝だが、28勝が1600m以下。うち24勝が1400m以下に集中している。