注目のコント師が地方競馬を攻略!(左:あさひ、右:望月隆寛)
競馬記者、元ジョッキー、アナウンサー、タレント、お笑い芸人など各界の競馬好きによって構成される「地方競馬アンバサダー」が思い思いのスタイルで楽しむ、地方競馬の魅力を隔週で発信!
私は競馬歴が浅い。
ちゃんと競馬を研究し、馬券をしっかり当てたいと思ったのはここ1年足らずの事。
今までは馬券が的中しなくても何も思わなかったけど、ここ1年は外れると理由を考えるようになった。
そもそもどうやったら的中率が上がるのか?
何から予想すればいいのかわからない。
ただ漠然と競馬新聞を見て、着順やタイム、勝率や連対率とひたすら数字を見てきた。
でも当たらない。全然当たらない。
なんなら適当に名前の響きとか色とか、勘で買った時の方が当たっていた気がする。
地方競馬に出会ってからは尚更それを感じた。でも大井競馬場に足を運んだ時、全ての理由がわかった。
大井競馬場は南関東4競馬の中で唯一の右回りコース。地方競馬トップクラスの広さを誇る。
そんな大井競馬場に来て一番初めに感じたのは、風が強いことだ。
画面では特に気にしていなかったが、確かにスタート時に映る旗が激しく揺れている時があった。
海が近い為に発生するこの風は、向かい風の場合、馬の進行に大きく影響する。
地方競馬は主にダートで行われる(盛岡競馬場以外)ため、馬たちはこの風の中、砂に足をとられながら走っている事になる。
この大井競馬場の風とダートを見て思い出した。
野球部だった頃、合宿で行った海岸トレーニングでの走り込みだ。
海風を受け前には進めず、砂浜に足をとられ加速ができない。スタミナと気力のいる海岸トレーニングは非常にキツい。
このキツいトレーニングの中で、部員達は楽をする方法を見つけ出す。
人間は辛い時、いかに楽をするかを探すプロになるのだ。
部員全員で一斉に走り出したのち、後輩部員たちの後方に控えて海風をよける。
さらには波打ち際を走る事により、海水で硬くなった砂の上を走れば足がとられず加速できる。
全くもってトレーニングの意味は無くなる無駄な知恵だが、この現象はまさに大井競馬場にばっちり当てはまっているのだ。
大井競馬場は海風により逃げ馬の進行が厳しく、一概に前残りとは言えない。
さらに競馬で重要となる天候。ダートにおいて雨の場合は砂が湿ることで足抜きが良くなり、馬場は差し・追い込みが有利になることも。
まさに合宿の海岸トレーニングのシーンと一緒。
こうなると他の地方競馬場とはセオリーが変わってくる。地方競馬においては先行馬や逃げ馬を狙いがちだ。
しかし、大井競馬場においてはアレを忘れてはいけない。南関東4競馬最長の直線、実に外回り386m、内回り286mの超ロングストレートだ。ここにこそ大井のドラマがあるのだ。
他の地方競馬では難しい、後方待機の差し・追い込み馬の脚が届く事も大いにある。
天候が雨の場合は、差し・追い込み勢を積極的に狙ってみたい。
さらに言えば開催5日間の馬場状態の変動、コース外側から内側への傾斜による雨風での砂の流動、馬場の渇き具合によっても枠順の善し悪しが変わる。レースの距離によっても状況が変わる。そこでようやく過去のタイムや着順、馬体の善し悪し等が絡んで、的中までたどり着く。
大井競馬場の特徴を知り、実際に足を運んで感じた風や肉眼で見た馬場の情報が1番のデータ。地方競馬場一つ一つの特徴を知る事が馬券的中への近道なのだ。
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TCK 東京シティ競馬(大井競馬)公式サイト地方競馬情報サイト