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チューリップ賞

  • 2006年03月03日(金) 19時50分
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 牡馬も牝馬もクラシックは同世代の戦い。当然、世代間のレベル差はある。特に年によって凸凹が激しいのが牝馬。なかでも今年は低調。2年前のスイープトウショウ世代に遠く及ばず、フィギュアの浅田や荒川を輩出できる土壌はかけらもない。そのいい例がエルフィンS・2着のユメノオーラ。もとをただせば暮れのたんぱ杯で1.4秒遅れの11着馬。それが阪神JF・3着のフサイチパンドラを軽く一蹴したのだから鼎の軽重を問わずにはいられない。

 もっとも今世代が強かろうが弱かろうが、1着、2着は必ず出るのだから馬券には関係ないと言えばそれまで。むしろ、穴狙いには「低調」ほど、逆に僥倖かも知れない。早速、大荒れの阪神JFでは、その恩恵に与った。つまり、ちょっとした馬なら勢いだけで頂点まで、というのが今年の牝馬クラシック。馬券的には「下克上」くらい面白いクラシックはないかも知れない。

 そんな中、桜に向けての最重要トライアルが明日のチューリップ賞。実際、予想者の大半がそんな目で今年の牝馬をみているのだろう。無傷で3連勝のGI馬テイエムプリキュアに◎は、専門紙9社中わずかに2社。低レベル、だから簡単に…という思考が逆に行き渡り過ぎたのかも知れない。

 確かにレベルは低い。低いからこそどの馬にもチャンスがあるのだが、仮にその中に一頭突出している馬がいるとしたら、逆にその馬の「一人舞台」になることも事実。逆もまた真であり、少なくとも無傷のGI馬テイエムプリキュアにはその資格がある。馬格にも恵まれ、相当な馬である可能性も十分。これだけは阪神JFで◎を打った者として強く言っておきたい。勝ちタイム云々は別にして、レースの中身は非の打ちどころがない完勝。外々を回り最後は手綱を抑える余裕を見せての快勝。ここはあえて「一人舞台」の考え方をとりたい。もちろん、この中間も素晴らしい動き。1週前に6ハロン77.6秒の快調教をやってのけ、今週は最後だけ伸ばして11.8秒。仕上げに一点の抜かりもない。

 テイエムプリキュアの「一人舞台」に唯一横槍を入れられる可能性があるとすれば、ポテンシャルの高さでアドマイヤキッス。札幌の未勝利戦で手綱を抑えたまま5馬身勝ちの快勝。この馬をおいてあるまい。もちろん、レベルがレベルだけに手広くというのが今年の牝馬対策だが、やはりテイエムプリキュアと互角に渡り合える素材といえば切り札はこれしかない。

 あとは未対決のラッシュライフ。既存ではニシノフジムスメといったところだが、低レベルを前提に連穴にはキャリアの浅い新興勢力という考え方も間違いではないだろう。両馬とも牝馬らしいと言ってしまえばそれまでだが、少々、線の細さが気になるが、素質あるプリムローズヒルにタッチザピーク。大穴なら1200からの距離延長でもスピードと勝負根性に長けたスパニッシュソウル。いずれにしても連穴には最善の注意が必要な一戦。

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