▲実戦復帰を見据えたトレーニング (提供:古川奈穂騎手)
藤田菜七子騎手以来、5年ぶりのJRA女性騎手として、今年3月にデビューした古川奈穂騎手(栗東・矢作厩舎)。初勝利から4週連続勝利を挙げるなど、順調な騎手人生を歩み始めていました。
しかし、4月25日の騎乗を終えたところで左肩に違和感を感じ、治療に専念することを発表。5月11日に手術をし、リハビリとトレーニングを経て、10月中の復帰が見えてきました。
そんな古川騎手の復帰への道を追う短期連載。今回のテーマは、リハビリ中のことについて。経過は順調も、不安やもどかしさを感じる瞬間も…。そんなときに元気をくれる“大事な写真”をご紹介します。
矢作厩舎のグループLINEで坂井騎手を祝福
こんにちは。古川奈穂です。
先日、フランス遠征中の坂井瑠星騎手が現地の競馬に初めて騎乗され、初騎乗で初勝利を挙げられました! 坂井騎手は、これまでにもさまざまな国でレースに騎乗して結果を出されているので、本当にすごいです!
また、一緒にフランスに行かれている厩舎の方が、矢作厩舎のグループLINEで坂井騎手の勝利をすぐに知らせてくださって、それを見た厩舎スタッフのみなさんが次々と祝福の言葉やお祝いスタンプを送っていて、そういう厩舎の雰囲気がとてもいいな、と改めて思いました。
今回のコラムでは、リハビリ中のことについて、もう少し触れていきたいと思います。
「手術、怖くないの?」
と、よく聞かれたのですが、麻酔で眠っている間に手術は終わっているので、怖いという意識はなかったです。それよりも、ジッとしていられない性なのか、術後の思うように身動きが取れない感じのほうが嫌でした(笑)。
毎日のリハビリは、ずっと同じ先生に診ていただいていました。時に優しく、時に過酷なリハビリのおかげで、手術をした肩の状態が予定よりも早く回復し、身体のバランスや使い方についても診ていただくことができました。
改めまして、手術をしてくださった先生をはじめ、お世話になった病院のみなさま、リハビリの先生には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました!
リハビリは、順調に進んでいます。それでも、やはり不安になったり、もどかしさを感じたりすることも…。そういうときは、スマホに保存されている写真を見返して元気をもらっていました。
とくに中学・高校時代の写真にはたくさんの思い出が詰まっていて懐かしく、見ているだけでなんだか笑ってしまいます(笑)。そのほか、空がキレイなときは写真を撮ったりして、心を落ち着かせていました。
▲中学・高校時代の写真にはたくさんの思い出が (提供:古川奈穂騎手)
▲修学旅行で、同部屋の皆で「今日はシャワーだけにしよう」となったけど、「せっかくだから雰囲気だけ味わっておこう」という図 (提供:古川奈穂騎手)
▲「空がキレイなときは写真を撮って、心を落ち着かせていました」 (提供:古川奈穂騎手)
早いもので、休養に入ってからもう4カ月が経つんですね。長かったようで短い4カ月で、気がついたら2021年も残り4カ月。ほぼ毎日リハビリに通い、規則的な日々を送っていたからか、「1日が長く感じる…」というようなことはなかったです。
先輩方からもトレーナーさんを紹介していただいたり、声を掛けていただいたりして、とても心強かったです。
私はデビューから2カ月足らずで休養という形になってしまいましたが、レースから離れたことで、改めて憧れの場所で憧れていた方々と一緒にレースをしていたのだと実感しました。
ちなみに、一競馬ファンだった頃に競馬場でいただいたサインや、購入した競馬グッズなどは、今も変わらず実家の私の部屋に飾られています。
このように、たくさんの方のおかげでここまで順調にきているので、復帰までしっかり頑張ります!
このコラムが掲載されている頃、私はアメリカにいます。キーンランドセプテンバーセールに行ってきます。
アメリカには、小さいときに家族で行ったことがあるのですが、まったく記憶がないので、私にとっては初めての場所と同じ。アメリカの馬産地に行くのはもちろん初めてなので、いろいろなことを学んできたいと思っています。