毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
日曜の中山競馬の芝は「稍重」で始まり、6R発走前の12時51分に「良」に回復。朝から好天で風も強く、急速に乾いていった。JRAが土曜朝に測定したクッション値が「8.4」(標準)、日曜朝のクッション値は「9.2」(標準)。土曜に中山競馬場は64ミリの降水量を記録したが、日曜朝の時点で同じ標準ながらも「硬い」方向に推移したことが分かる。開催2週目で多少内寄りは傷み始めたが、各馬が内寄りを避けて通る傾向はない。
日曜の中山は、芝競走は6鞍行われた。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、4番手、4番手、1番手、4番手、12番手」。S〜Mペースが多かったこともあるが、経済コースを通った馬の粘りが利く分、先行〜好位勢の活躍が目立った。
5R・2歳新馬戦(芝1600m)は好位3〜4番手の内寄りを追走した1番人気アンクロワも直線でも内ラチ沿いからあっさり突き抜けている。
7R・3歳上1勝クラス(芝1800m)は前半4F49秒9〜後半4F46秒4の絶妙のスローペースで逃げたヤマニンデンファレが内ラチ沿いを逃げ切った。
12R・3歳上1勝クラス(芝1200m)は後方イン追走の10番人気ヴィクトワールメイが内ラチ沿いから伸びて一気。前に行くにしても差すにしても内を通った馬が活躍した。
10R・レインボーS(芝1800m)は最終4コーナー4番手から差したゴルトベルクが1分46秒9。コーナーが4回ある中山1800mは、ワンターンの東京や新潟1800mほど全体時計が速くならない傾向があるが、それでもまずまず速い時計が出ている。
月曜の中山は引き続き好天。予想最高気温も27度と高めで、同じ良馬場でも月曜はさらに一段乾いた馬場になりそうだ。
セントライト記念の過去10年(新潟で施行された2014年は除く)で、最終4コーナーで5番手以内の馬が7勝。そのうち「最終4コーナーで3番手以内」が5勝と、前の組が活躍している。今秋もまだ中〜外差し傾向にはなっていないだけに、機敏に好位で立ち回れる馬が優位になりそうだ。