▲9月11日の中山競馬場の様子 (撮影:小金井邦祥)
国内の新型コロナ感染者数は9月に入って減少の流れが続いているが、中央競馬では9月1日に所属騎手として初めて丸山元気騎手(30、美浦)の感染が発覚。これを受けてJRAは、感染直前に同じ新潟で騎乗していた57騎手全員にPCR検査を実施した結果、江田照男騎手(49、同)の感染も判明した。
幸い、開催自体に影響はなく両騎手も軽症で、丸山騎手は14日から、江田騎手は15日から調教騎乗を再開し、18-20日の開催で実戦復帰した。ただ、騎手以外の厩舎関係者の感染も散発的に判明しており、札幌開催に従事していた人が多い。
JRAはコロナワクチンの厩舎関係者への職域接種を7月から開始していたが、関係者の出張が多い夏季競馬期間に開始が重なったため、未接種の人もなお少なくないという。海外では、接種の進展を前提に「日常への復帰」を探る動きが見られ、国内でもこうした議論が始まりつつあるが、具体化には時間がかかりそうだ。
「骨格」の維持に終始
コロナ禍の日常が1年半に及ぶ中で、地方も含む国内の競馬は、昨夏の南関東での中止事例を除けば、開催への影響を免れてきた。ただ、こうした状況では「馬を走らせて馬券を売る」という開催の骨格維持に集中するあまり、施行者側もそれ以外の部分に神経を使う余裕が失われるのは致し方ない。
現場に足を運んだファン向けのイベントも一例だ。JRAの無観客開催は、2月の地震で被災して今なお修理中の福島が最後で、7月第4週以降は限定的ながら観客が入場している。しかし、場内イベントはほぼ止まったままだ。