敗因はハッキリ、次に向けて気持ちを切り替えたい

──先週は、土日で5鞍に騎乗。

小牧　ニホンピロの3頭はどの馬も期待していたから、ちょっと不甲斐ない競馬になってしまって申し訳なかった。僕としても残念やったね。

──それぞれに敗因を伺っていきたいのですが、まずはニホンピロクレール(10月2日・中京1R・2歳未勝利・8番人気11着)。初戦と同じく、中団からの競馬になりましたね。

小牧　すごく楽しみにしていたんやけど、新馬戦のほうが行きっぷりがよかったです。この前はついていかんかった。直線も伸びてくる気配がなくてね。なんかおとなしすぎたような気がする。

──一度使って気合いが乗るのではなく、逆におとなしくなってしまうケースもあるんですね。

小牧　ん〜、確かなことはわからんけど、中1週でちょっと疲れていたのかもしれないね。それしか考えられない。スクーロは内に入ってしまったのがねぇ(10月2日・中京10R・関ケ原S・11番人気11着)。勝った馬に押し込まれたね。休み明けもあるけど、それが一番の敗因かな。でも、大負けはしていないし、左回りより右回りのほうがいいかもしれない。

──それは私も思いました。堅実に走っていた馬が、ここ2戦の中京に限って14着、11着ですからね。

小牧　なんかね、右回りと比べると、もうひとつ手応えがないんですわ。一度叩いたことやし、右回りで改めてやね。マリブ(10月3日・中京7R・3歳上1勝クラス・10番人気14着)は、いかにも休み明けという感じで、完全な息切れや。絶好の位置にいたのにねぇ。あと、スタートで後ろに迷惑を掛けてしまって、戒告をもらってしまった。

──外目を取りたいんだなと思って見ていました。

小牧　うん。スクーロが内に入ってしまったからね。外のほうが馬場がよかったから、マリブはどうしても外に出したかった。

──直線で少しフラフラしているようにも見えましたが、息切れということは、苦しくなってのことですか？

小牧　そう、完全に止まってしまったから。本来はもっとやれる馬だから、敗因は明らかに休み明けやね。今回はショックやったけど、3頭とも楽しみな馬に変わりはないので、次に向けて気持ちを切り替えたいね。

──グレアミラージュ(10月3日・中京8R・3歳上1勝クラス・12番人気)は6着でしたが、これまでで一番いい競馬でしたね。

小牧　うん。思ったより上手いこと真っ直ぐ走れたね。今回、調教でもいつも以上に癖を出して、右に行ったり左に行ったりしてたんですわ。だからちょっと心配してたんやけど、思った以上にいいレースができた。まだ上積みがあると思うわ。

──もう1頭のキタノインディ(10月3日・中京10R・白川郷S・8番人気12着)は初騎乗。スムーズにハナは取れたものの、厳しい展開になりました。

小牧　16番の馬が、長いこと外からきてたでしょ。ああなると逃げ馬はきつい。もともと、スタートがもうひとつだったら行くつもりはなかったんやけど、ポンと出たから。ああいう流れになるなら、差す競馬を覚えさせたほうがよかったかも。

──1勝クラス、2勝クラスと連勝してきた馬ですからね。能力があるのは間違いない。

小牧　そうやね、能力がなければ連勝はできない。また乗せてもらえたら、今度こそ力を引き出したいね。

──では、最後に質問をひとつ。「先日、ミルコ騎手がコラムで『一日で5キロ落とす』と話していて驚きました。小牧騎手も毎週減量をしていると思いますが、そんな日もあるのですか？」。

小牧　走ったりして、一日で5キロくらいは落としたことあるな。昔やけどね。

──ミルコ騎手は、金曜日に調整ルームに入ってから翌日のレースまでに5キロ落としたと。

小牧　ミルコに限らず、そういう人はいるよ。僕たちは、それをやらんかったら乗れんわけやから、何がなんでも落とさなアカンねん。徐々に落とすのが一番いいんやろうけど、その人の性格にもよるし、人間やから、その週に限ってつい食べ過ぎてしまうこともあるやろうしね。

──小牧さんの場合は一気にではなく、週の半ばから徐々に節制を開始するタイプ。

小牧　そうそう。お風呂が好きやから、毎日汗取りしてるしね。それでも、朝起きたときとお風呂に入ったあとで3〜4キロ違うなんてしょっちゅうや。そういう体になってしまってるんですわ。僕らはね、食べなくても落ちないからね。なぜなら、水分やから。いつも水分を抜いて体重を落としているわけで、飲んだら飲んだだけすぐに重くなる。3キロくらいすぐに減るけど、増えるのも一瞬やで。体にいいのか悪いのかわからんけど、それも仕事やからね。