▲昨年の凱旋門賞で優勝した弟のクリスチャン騎手 (提供:Racingfotos.com)
100回目を迎えた今年の凱旋門賞は、日本馬が2頭出走するなど大きな注目を集めました。そんな中、弟のクリスチャン騎手の騎乗馬が直前に替わり話題に…「契約だから仕方がないとはいえ、今回はちょっとつらかった」とミルコ騎手。ヨーロッパならではの事情について伺いました。
(取材・構成=森カオル)
※このインタビューは電話取材で行いました
最後の追い切りが終わるまでは何も決まらない
──日本馬2頭が出走した凱旋門賞でしたが、ともに持ち味を発揮できず、日本の悲願は再び来年以降に持ち越される結果に。弟のクリスチャン騎手が騎乗したラービアーも12着。クリスチャン騎手に関しては、直前の乗り替わりも話題になりましたね。
ミルコ ああ、ちょっとつらいニュースでしたね。僕も「なんで!? なんで!?」って、ちょっと怒ってた。前田オーナーもすごく楽しみにしていて、フォワ賞を勝ったあと、すぐに連絡をくれたのに。
──ラービアーは、凱旋門賞前日のロワイヤリュー賞と両にらみだったんですよね。
ミルコ そうそう。2800mのそのレースを使う可能性が高かったけど、去年の凱旋門賞で5着だったから、できれば今年も出たかったみたい。もともとクリスチャンもそういう話をしていたから、関係者はもう準備してたと思うね。ヨーロッパは、最後の追い切りがとっても大事です。だから、それが終わるまでは何も決まらない。たぶん、最後に追い切ったときの状態がとってもよかったんだと思う。
──とはいえ、あんなに大きいレースで直前に騎乗馬が替わるなんて、突発的なアクシデントでも起こらない限り、日本ではないこと。だから、そのあたりのヨーロッパの事情を改めてお聞きしたいなと思いまして。