ヴァイスメテオールと菊花賞へ!(撮影:下野雄規)
7月のラジオNIKKEI賞を快勝し、待望の重賞タイトルを手にしたヴァイスメテオール。この春、ダービーへの出走は惜しくも逃してしまいましたが、一夏を越え成長した同馬がクラシック最後の一戦、菊花賞の大舞台に挑みます。今回はそんな相棒の強みや成長ぶりについて丸山元気騎手にお話を伺いました。
(取材・文=デイリースポーツ・小林正明)
「段階を踏んで上向いている」
──前走のラジオNIKKEI賞は中団から抜け出して最後は後続に2馬身半差をつける快勝劇でした。強い内容だったと思いますが、レースを振り返ってもらえますか。
丸山 騎乗しなかった2戦(3月13日の中山1勝クラスとプリンシパルS)は、ゲートを出なかったのでスタートは意識しました。その結果、道中はいいポジションでレースを進められたし、流れに乗ることもできました。4コーナーではうまいこと前が開いてくれて、直線を向いてからは鋭い反応を示してくれましたね。いい競馬ができたと思っています。
──前走以前の騎乗は、デビュー2戦目で重賞初挑戦となった京成杯になります。結果は4着でした。
丸山 あのレースはゲートを出ないかなと思っていたのですが、しっかり出てくれました。ただ、みんながけん制し合う形になってしまい、思ったよりもペースが流れませんでした。展開がこの馬には合わなかった感じです。不完全燃焼の競馬になってしまいました。
──京成杯の時と比較して馬に変化はありますか。
丸山 もともと能力を感じていた馬ですからね。前走は久しぶりに騎乗しましたが、順調に来ているなと思いました。
「もともと能力を感じていた馬ですから」※写真は新馬戦(撮影:下野雄規)
──この中間は9月29日とレース1週前となる10月13日の追い切りに騎乗しました。1週前追い切りは美浦Wで3頭併せを行い、ブレッシングレインに手応え優勢で先着し、ステルヴィオとは併入する動きを見せました。感触はどうでしたか。
丸山 1週前追い切りは道中うまく折り合って、しまいもしっかり反応してくれました。1週前の段階なので少し重苦しさはあったけど、GI馬を相手にして最後までくらいついて走ってくれましたからね。9月29日に騎乗した時も良かったけど、段階を踏んで上向いていると感じました。
今回も、前走のような競馬を
──この馬のストロングポイントをどうみていますか。
丸山 オンとオフがしっかりしているところです。レースにいくと気が入って前向きに走ってくれます。ただ、普段の感じは本当におっとりしていますよ。実戦にいって良さを発揮してくれるところがいいですね。
普段は本当におっとりしているそう(撮影:下野雄規)
──今年の菊花賞は京都競馬場で改修工事が行われているため、阪神芝3000mでの施行となります。舞台についてはどう思っていますか。
丸山 僕自身が乗ったことがないので、今回の舞台に関しては何とも言えないですね。ただ、長い距離の競馬になるので、重要なのは折り合いになります。あとは内枠がほしいです。内でラチを頼りながらロスのない競馬をしたいです。
──折り合いが重要とのことですが、ヴァイスメテオールの折り合いに関してはどうですか。
丸山 前走は意識的にポジションを取った分、1コーナーあたりでは少しハミをかんでいましたが、2コーナーまでにはハミもうまく抜けてくれました。普段の調教ではそんなところを見せないので、そこは自分がうまくコントロールしてあげれば問題はないと思っています。
──どのような競馬が理想になりますか。
丸山 大型馬だけど、器用なところはありますし、今回もラジオNIKKEI賞のような競馬ができればいいと思っています。
──最後に意気込みをお願いします。
丸山 チャンスのある馬に乗せてもらえるのはありがたいことです。いい結果を出したいですね。
(※文中敬称略)