4歳秋を迎えて完成形に近づいてきているコントレイル(c)netkeiba.com、ユーザー提供:ぉりゅぅさん
今週は天皇賞・秋が行われます。昨年の3冠馬コントレイル、今年の皐月賞馬エフフォーリア、今年は短距離から中距離に矛先を変えてきているグランアレグリアが「3強」と見られていて、これらの力関係も非常に注目が集まるところです。他にも今年の天皇賞・春を勝ったワールドプレミア、一線級相手でも善戦するカレンブーケドールなど好メンバーが揃う一戦。この天皇賞・秋に出走を予定している各馬について、馬体面を中心に考えていきたいと思います。
エフフォーリア 父エピファネイアに似て雄大で後肢の可動域が非常に大きい馬体。ツナギや飛節の角度も理想的で長さもゆったり。筋肉質ですが、春は緩さが目立つ馬体でした。秋になってシルエットがはっきりして、背中のラインもしっかりしてきました。肩回りやトモの筋肉も無駄肉が削げ落ちて良質な筋肉が増し、理想的な体付きに。それに伴い立ち姿も大幅に力強さが増し、春とは格段に上の完成度でここに臨みます。骨格がガッチリしていますが、速い時計の決着になっても対応できますし、春よりもさらに上のパフォーマンスを見せてくれるでしょう。
カレンブーケドール 全体的に迫力が減ってピークの頃に比べると物足りませんが、胴回りがコロンとして映ってもほとんど無駄肉はありませんし、トモの筋肉の張りもしっかり。宝塚記念時よりは良く見えると思います。長距離でも活躍していますが、各パーツの長さなどを考えるとこれくらいの距離の方が合うでしょう。詰めが甘いところはあるので、勝つまではどうかも3着くらいならあってもおかしくないと思います。
グランアレグリア いつも余裕残しに映りますし、トモの張りも良く調教の動きも重さを感じさせないので、仕上げに関しては問題ないと思います。どちらかと言えばマイルの方が合う体型ですが、柔軟性や背丈もそこそこあるので2000mもこなせます。蹄が若干立ち気味で、あまり馬場が悪くなければ道悪もこなせますし、大崩れはなさそうです。
ただ、絶対能力の高さではコントレイルやエフフォーリアにも引けを取りませんが、距離適性を考えると分は悪いと思います。
コントレイル 春の大阪杯時も成長を感じましたが、それでもまだまだ完成度が低いと感じる馬体でした。それが今回はトモの筋肉が強化され、それに伴い飛節の力強さもアップ。かなり完成形に近付いてきました。距離は2400mがベストですが、もちろん2000mも問題ありません。手先が軽く高い柔軟性が武器なので道悪はマイナス材料。逆に良馬場なら本来の力を見せつける事ができそうです。
ヒシイグアス 春の中山記念以来のレースとなりますが、スッキリしたシルエットで仕上がりは良さそうです。春に比べると無駄肉がなくなり、トモの筋肉の質が強化されている印象。完成度が高くなってきました。体型的に距離は2000mがベストと言えますし、少しパワーの要る今の東京の馬場もピッタリ合いそう。相手は強いですが、善戦できても良いと思います。
ポタジェ トモの筋肉が盛り上がり、もの凄い張りを見せています。全体的にはもう一絞りあっても良いですが、このメンバー相手にどれだけやれるかは楽しみです。
ワールドプレミア 春よりも筋肉の質が強くなり、パワーが付いてきたように見えます。関節の可動域が大きく、良い意味の緩さがあるので長距離向きですが、パワーが付いてきたことでこの距離でも対応できそうです。ただ、2000mに適性がぴったりの馬たちに比べると分が悪いかもしれません。能力で3着くらいはあるかもしれませんが、買いたいのは次です。
【総括】
現時点では雨予報はありませんので、コントレイルが抜けていると思います。対抗できるのはやはりエフフォーリアでしょう。この2頭が現時点では抜けていると思います。グランアレグリアは距離の分3番手扱い、ヒシイグアスやカレンブーケドールがこれに食い込めるかという感じです。馬券的には絞って臨むレースになりそうです。「ウマい馬券」の予想も是非ご参考下さい。
■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。