スマートフォン版へ

覚悟と技を感じた菊花賞

  • 2021年10月29日(金) 12時00分

3強、そして調教から


 先週の菊花賞、22歳・横山武史騎手の思いきったレース振りが勝利へと導かれましたね。

 前走での大敗から覚悟を決めた騎乗振りでしたし、レース後のインタビューにもありましたが、馬は違いますが、日本ダービーでの悔しさが払拭されるものだったように思えます。

 表彰式前、パパである横山典弘騎手がオーナーの元へと足を運ばれており、後ろ姿ではありましたが、実に嬉しそうな様子がうかがえました。

 以前「武史が自分に1番似ている」と口にされていた典弘騎手。

 また騎乗停止に伴い、日本ダービー(2019年)での乗り替わりが自分から武史騎手へとバトンが引き継がれた際には「こんなに嬉しい騎乗停止はない」とも口にされていた典弘騎手。

 一方で父を尊敬し「父のような騎手になりたい」と口にしていた武史騎手。父の背中を追いかけ、またエフフォーリアと共に歩んだ春の道のりが着実に騎手としてのステージアップに繋がっている、そんな印象を受けました。

 さて今週は、素晴らしいメンバーの揃った秋の天皇賞となります。

 馬体診断で全体的に感じたことは、実績馬が休み明けということもあり、状態の良さは一度使われている馬たちの方が目についたところも…。しかしながらポテンシャルの差をデキの良さでカバーできるのか?と考えると、今回の3頭グランアレグリア・コントレイル・エフフォーリアに対しては、中々厳しい気も…。また軸をどれにするのか?でも悩むところですよね。

 当日の天気が晴れであればグランアレグリアの東京2000mは距離的に問題ない気がしています。もちろん体型的な面からマイラーだとは思うのですが、折り合い面や鞍上がルメール騎手という点に、アーモンドアイの時もそうですが心配は軽減されると感じます。

 また枠においても、馬を気にするところがあるように感じていたので内すぎるのを心配していましたが9番。

 これも個人的には良い材料に感じましたし、担当の渡部助手も、「理想は8番10番あたりだったけど、極端な内枠とか外枠でなくてよかった」と。

 また状態に関しても「2走前のヴィクトリアマイルのような感じかな」と。何度も言いますが、当日、雨で馬場が重たくならなければ大丈夫な気がします。

 対するエフフォーリアですが、こちらも横山武史騎手が様々な競馬を組み立ててきた強みと成長力がうかがえるだけに大崩れはないと思えます。

 一方コントレイルにおいては久々の中での58kgが個人的には気になりますが、菊花賞の疲れを感じたJCでの2着の走りには改めてポテンシャルの高さを感じたところも。よってコントレイルの走りも気になります。

 この3頭が能力的には1つ上な気もしますが、追い切りから具合の良さを感じたのはトーセンスーリヤとユーキャンスマイルゆえ、馬券には絡めたいところも…。もう少し考えます。

 それでは皆さん、日曜日はフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。

 ホソジュンでしたぁ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング