5大クラシックレースの第一弾、以前は桜花賞をこう呼んでいました。もちろん、今でもこれでいいのですが、グレード制を導入してからは、その格づけを中心に言い表すことが多く、少し変化が感じられます。

　でも、桜花賞は、やはりクラシック第一弾と呼んだ方がすっきりします。

　その桜花賞戦線、今年は3つのステップレースが終了しても、ますます混迷の度を増すばかりです。レベルが高いとか低いとかいう問題でなく、とにかく頭抜けた存在がないということです。群雄割拠、そう呼ぶにはこのキャリアではふさわしくなく、やはり混戦桜花賞となるのでしょう。

　その有力馬の顔ぶれから気のつくこと、それはサラブレッドですから、血統の様変わりではないでしょうか。

　一応、チューリップ賞を勝ったアドマイヤキッスが、最も重要なトライアルの勝者ということで一気にGI候補として名乗りをあげましたが、これがサンデーサイレンスの産駒。これまでの主流血脈です。しかし、その他は実に様々です。チューリップ賞2着シェルズレイの父がクロフネ、3着ウインシンシアがダンスインザダーク。フィリーズレビュー1着馬ダイワパッションはフォーティナイナー、2着ユメノオーラがマイネルラヴで、3着エイシンアモーレがエイシンワシントン。

　アネモネS馬アサヒライジングの父はロイヤルタッチ、その2着グレイスティアラがフジキセキ。クイーンCのコイウタもフジキセキが父親。そして、昨年の最優秀2歳牝馬テイエムプリキュアはパラダイスクリークの産駒と、こんなに様々な桜花賞は久しぶりです。

　種牡馬の世界は、ポストSSの争いが激しくなっていますが、現実にクラシックの第一弾にもはっきりあらわれています。頭抜けた馬がいないというのは、こうした背景と無関係とも言えないでしょう。それだけ、本番がどうなるか興味津々でもあります。