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【マイルCS予想】先週より時計は出るが多少力がいる馬場状態

  • 2021年11月20日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。


 阪神の芝は先週に続き、Aコースを使用。昨秋の阪神開催は11月開幕でマイルCSは3週目の施行だったが、今年は10月から始まって7週目。その分、内寄りの芝の傷みは進み、全体的にパワー化している。JRA公式ホームページでも「コース全周に亘り、内側に傷みがあります。特に内回り3コーナーから4コーナーと正面直線の内側の傷みが進んできています」とのこと。

 先週も当欄で触れた通り、直線は中〜外を通る差し馬の台頭が土曜は目立った。土曜の芝競走は6鞍。マイルCSの舞台となる外回り1600m戦は行われなかった。参考までに、優勝馬の最終4コーナーの位置は「14番手、7番手、7番手、5番手、4番手、7番手」。

 内回り、外回り問わずに逃げ〜先行馬が苦戦傾向。中団〜後方の差し馬が伸びた。レース傾向自体は先週とほぼ同じ。ただ晴天が続いている影響なのか、時計が掛かっていた先週と比べると、今週は多少出やすく、標準的な時計が出ていた。

 3R・2歳未勝利戦(内回り1200m)は阪神では滅多に見られない位置取りでの決着。勝ったプレヴォールは最終4コーナー14番手、2着ピースキーパーは4コーナー16番手。いずれも芝コースの外から一気に伸びた。レース前半3F34秒3〜後半3F35秒2。前の組が多少速かったのも事実だが、ちょっと驚いた。

 マイルCSと同じ外回り施行の4R・2歳未勝利戦(芝1800m)はレース前半4F46秒6〜後半4F48秒2のHペース。勝ったスタティスティクスは4コーナー7番手。2着アカデミーは4コーナー14番手から大外を伸びた。前が流れた展開に乗じて、差し馬が台頭したのも間違いないが、中〜外が伸びるコースなのは確か。ちなみにこのレースの勝ち時計は1分47秒0。先週、同じ外回り1800mの2歳未勝利戦はSペースだったとはいえ、勝ち馬グッドフェイスが1分49秒1。時計の出方は今週の方が速くなっている。

 では、マイルCSはどうなるのか? エリザベス女王杯は逃げたシャムロックヒルが前半3F34秒1のハイラップ。各馬の仕掛けが早かったことで、綺麗に外を差したアカイイトを筆頭に差し馬の台頭を誘発した形。

 マイルCSは意外に逃げ〜先行型が少ない。ペースが落ち着き、前に行った組が芝状態のいい部分を選んで走れる状況になると、中〜外が伸びる芝とはいっても、先行勢の粘り込みも警戒したいところ。昨年優勝したグランアレグリアは1分32秒0だったが、今年はそれよりは時計が掛かる。優勝推定タイムは「1分32秒台後半」付近。多少力がいる今の芝状態への適応力もポイントになりそうだ。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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