配合馬が力を発揮しやすいレース

　先週のコントレイルには感動。そして今年は、同じ矢作厩舎が育んだマルシュロレーヌにも感動。考えさせられるテーマを授かりました。

　古くから「日本のダートはアメリカのダートよりもレベルが低い」という常識がまかり通ってきました。恥ずかしながらボクもそう思っていましたし、たしかに、20年以上前はそうだったのかもしれません。しかし、今は「日本の砂中距離競馬とアメリカのダート競馬は別競技」と考えるべき時代が到来したのかもしれません。

　マルシュロレーヌも日本の砂競馬のトップホース相手には、2回とも6馬身以上離されて敗北していたように、日本の砂競馬よりも米国ダートの牝馬限定戦でより強さを発揮しました(それを見越して米国遠征に踏み切った矢作厩舎とオーナーの実行力には尊敬しかありません)

　チャンピオンズCも「JRAの砂競馬にこそ適した血統馬」を追求するべきなのではないでしょうか。1着賞金を4億円ほどにしてアメリカの超一流馬を招待しても中京の砂1800mは簡単に勝てる舞台ではないでしょう。

　チャンピオンズCの舞台は「日本の芝長距離血統と日本の砂競馬をブレンド」した配合馬が力を発揮しやすいレースと考えます。砂競馬の適性以前に日本のトップ種牡馬は、どの世界でも超一流の才能を持っていることも、この傾向につながっています。

　昨年の勝ち馬チュウワウィザードも父はキングカメハメハ。母父はデュランダル。どちらもJRAの芝2400m以上G1の勝ち馬を出しています。

　そして、母系に砂の名種牡馬ティンバーカントリー。砂競馬への適性とスケールは超一流。コパノリッキーやアドマイヤドン、ルヴァンスレーヴなどの砂G1馬もティンバーカントリーを持つ血統馬。

　当レースを単勝最高配当で勝利したサンビスタも父はスズカマンボ。天皇賞春勝ち馬。砂競馬に強い馬を長年作り続けてきたグランド牧場の繁殖。母系にはヴァイスリージェント。

　ヴァイスリージェント系の血もチャンピオンズCには特注の系統。2017年に8番人気1着。2019年2着。2020年2着のゴールドドリームは母父がヴァイスリージェント系。2016年1着サウンドトゥルー、2017年2着テイエムジンソクは父がヴァイスリージェント系。2016年10番人気3着アスカノロマンは母母父がヴァイスリージェント系。(出走馬の血統系統はスマート出馬表を参照)

　今年チャンピオンズCに初参戦する馬で、最もチャンピオンズCに適した血統馬はテーオーケインズ。

　父はシニスターミニスター。今年の同コース種牡馬ランキングも1位とは1勝差の2位。父の母父はヴァイスリージェント系。先に書いたようにチャンピオンズCに抜群の相性を示す系統。

　母父はマンハッタンカフェ。芝の長距離G1天皇賞春、有馬記念、菊花賞の勝ち馬。産駒にフェブラリーS勝ち馬のグレープブランデー。砂競馬でも一流の馬を出す種牡馬。さらに母系には世界の超一流種牡馬ストームキャット、ブラッシンググルーム。仮にアメリカの超一流馬がやってきても、スケールでも決して劣らない良血。

　ソダシのチャンピオンズC適性については、当コラムよりもさらに目につかない、ウマい馬券でひっそりと(笑)見解を書きます。

著しい成績を挙げ、殿堂入り予想家となった亀谷敬正のチャンピオンズC予想はレース当日までにウマい馬券で公開！