“10大”には達しなかったが、けっこうあった“重大”なこと
今年もアッという間の1年でした。ただし、コロナ禍中でいろいろな制約を受けていることもあり、当コラム年末恒例の“私の競馬10大ニュース”を選ぶのも一苦労しそうな状況です。
それでも、書き留めておきたいことはありました。いや、“10大”には達しなかったものの、“重大”なことはけっこうあったような気がします。
まず一番に挙げておきたいのが、11月からの「ウイニング競馬・競馬場制作再開」です。
これは何より喜ばしいことなのですが、私は、1年半以上にわたって現場実況から遠ざかっていたため、素直に喜んでいられない状況に陥ってしまいました。
一言で言えば、モニター実況に慣れきってしまった、ということ。しかも、再開後の実況席は、解説の虎石サンと実況アナの座り位置が以前とは逆になった上、アナウンサーから見ると4コーナー側にコロナ感染予防のためのアクリル板が置かれるようになりました。
これらのことが重なって、現場復帰後は、双眼鏡、モニター、肉眼と視線を動かすタイミングがうまくつかめず、違和感と緊張感を覚えながらの実況を続けている次第です。
そんな中で起こしてしまったのが、次の重大ニュース、「東スポ杯馬名間違え事件」でした。レース前、「これは間違えそうだな」と思って、要注意の文字を赤マルで囲んでおいたにもかかわらず、喋り始めたら間違っていることに全く気がつかなかったのです。
ハッキリ言って、このショックからいまだに立ち直れていません。こんな話をネタにするのは心苦しいのですが、何とか状況を打開しなければと奮闘しています。
話変わって、次なる重大ニュースには、「NARグランプリ優秀馬選定委員に就任」を挙げておきます。
約25年にわたってグランプリ表彰式&祝賀パーティの司会を務めてきましたが、2021年シーズンから優秀馬を選ぶという大役を仰せつかったのです。今まで以上に責任重大。ちなみにその辞令は、先日亡くなられた塚田修理事長によって発せられたもので、改めて身の引き締まる思いに包まれているところです。
今年は、コロナ禍をかいくぐりながら、高知競馬の歴史を探る旅にでかけ、それを基にした記事を「週刊競馬ブック」に連載しました。これは、最近得られた大きな競馬史研究成果で、重大ニュースに含めておきます。
そしてもう1つの重大ニュース。それは、当コラムが来年3月末をもって終了することになった、ということ。2008年5月末の連載開始以来およそ14年、レースの予想には全くお役に立たなかったにもかかわらず、ご愛読いただいたみなさんには深く感謝しています。まだあと3カ月ほど続きますので、もうしばらくお付き合いいただければ幸いです。
有馬記念はステラヴェローチェの複勝を買ってみます。では、よいお年を!!