▲明日、2/5に中京競馬で復帰する福永祐一騎手 (c)netkeiba.com
昨年12月の香港スプリントで起こった、4頭が落馬する大きな事故。福永騎手とピクシーナイトも巻き込まれ、福永騎手は馬場に放り投げられるような形に。しばらく起き上がれない様子に、多くの関係者やファンが心配しました。
それからわずか2か月弱。“チーム福永”の手厚いサポートで、想定より2週間ほど早く、明日5日に中京で復帰します。いよいよ始まる“騎手・福永祐一”の2022年──今の心境をお聞きしました。
(取材・構成=不破由妃子)
自分で救急車に乗るも「覚えてないんですよ」
──香港スプリント(12月12日)での落馬負傷から、手術(12月25日)を経て、1月最終週に調教騎乗を再開。無事スピード復帰が叶って本当によかったです。復帰までの1カ月は、どんな毎日を過ごしていたんですか?
福永 毎日病院に行ってリハビリは受けていたけど、トレーニングに関しては、多少筋肉を戻すようなマシーンを使ったくらいで、それ以外はあまりしませんでしたね。だからなのか、久しぶりに調教に乗ったら、体がだいぶ鈍ってた(苦笑)。やっぱりちゃんとトレーニングせなアカンなと思っているところです。
──手術した箇所の違和感などはもうない?
福永 戻る期間も含めて、本当に無理はしてないんですけど、乗っていて痛みを感じることはもうないです。ケガをしたときのいつものチームに体を見てもらっていますが、彼らの想定よりも2週間くらい復帰が早まって。本当に素晴らしい手術をしてもらえたし、退院後は家族が食事面、生活面でケアしてくれて、リハビリも信頼しているPT(理学療法士)がしっかりやってくれましたからね。寒い時期なので「無理をしないで」という声ももらっていたし、自分もそのつもりでいたんですけど、なんかどんどん回復していって。周りのおかげですね、ホントに。
──ケガはしないに越したことはないですけど、相変わらず“チーム福永”は盤石ですね。さて、香港スプリントですが、ほんの1〜2秒の間にすべてが起こった避けようのない事故で。後方で構えていた福永さんにとって、どんな状況だったのでしょうか。
福永 先行していたアメージングスター(L.ヒューイットソン騎手)が骨折して転倒、その後ろにいたラッキーパッチ(Z.パートン騎手)が巻き込まれて、自分はその一列後ろにいました。見えてはいたんですけどね。
──返す返すも、避けようがなかった。
福永 ただやっぱり、なんていうのかな…。未勝利戦や条件戦であれば、そういうことも起こり得ることを頭の片隅に入れて乗っているんですけど、GI、ましてや海外の招待レースだったから、ああいうことが起こり得ることをまったく考えていませんでした。
そのぶん、コンマ何秒かもしれないけど、反応が遅れた可能性はありますよね。見えてはいたけど、対処できなかったから。結果的に、放り投げられるような形で落ちて。
▲「GI、ましてや海外の招待レースで、ああいうことが起こり得ることは考えていなかった」(撮影:高橋正和)
──背面から上手く落ちたようにも見えたんですけど。
福永 そうですね。もし最後まで手綱を持っていたら、