▲岩田望来騎手が考える「海外遠征」とは(撮影:桂伸也)
今年に入って益々絶好調の、岩田望来騎手をゲストにお迎えしての対談。昨今、坂井瑠星騎手を筆頭に、海外遠征を経験した若手騎手の活躍が目立っています。
海外遠征に対して、望来騎手はどんな考えを持っているのでしょうか? 今回はこの気になるテーマについて深堀りします。
(取材・構成=不破由妃子)
若いうちに絶対に行きたいです
望来 佑介さん、以前長期で海外に行かれたじゃないですか。僕、中学生のとき、本当に勉強をサボっていたので、今でも英語が苦手で…。一から少しずつ勉強してはいるんですけど、佑介さんはどのレベルまで喋れる準備をして行ったんですか?
佑介 フランスに行ったときは、ゼロに等しい状態で行ったよ。知っていたフランス語は、ホントにボンジュールとメルシーだけっていうくらい(笑)。向こうに着いたら、めちゃくちゃデカい空港でさ。喋れないし、読めないから、出口がわからなくて彷徨った(笑)。
望来 行ってから覚えたという感じですか?
佑介 俺の場合はそうだったけど、ある程度喋れる状態で行ったほうが、絶対に遠征自体の内容が濃くなる。言葉の準備もそうだけど、競馬に乗り始める前に、生活基盤を整える準備期間を設けたほうがいいと思うよ。
たとえば半年間の遠征だとして、すべてゼロの状態で行くと、最初の3カ月くらいは無駄になってしまう。バタバタしている間にどんどん時間が過ぎていって、生活にも言葉にも慣れてきたなぁと思ったくらいで帰らなアカンくなるから。
▲佑介騎手自身「ゼロ」の状態から海外を経験した(撮影:桂伸也)
──仕事に集中するためにも、まずは環境を整えることが大事だと。
佑介 自分で行ってみてそう思いましたね。まったく違う環境で生活するわけですから、まずはその基盤が整ってないと仕事に集中できない。時間を無駄にしないためにも、1カ月でも1週間でもいいから、生活基盤を整えるための準備期間をあらかじめ用意する。そうすることで切り替えもできるし、結果的に遠征期間を無駄にせずに済むと思います。
言葉の準備について聞いてくるということは、やっぱり望来も海外に行くことを考えてるということ?