【共同通信杯予想】テーマは皐月賞で勝ち負けする馬を探すこと
クラシックへの最重要ステップへ昇格した当レース
クラシックに向かうスケジュールは少しずつ変化し、牡馬の場合は「共同通信杯」が最重要ステップに昇格している。最近10年、このレースを経由した馬が皐月賞で9頭も馬券に絡んできた(日本ダービーでも10頭)。
知られるように、この共同通信杯を「1着、2着」して4月の本番に直行した馬の中から、10年間で5頭もの皐月賞馬が誕生している。ここに到達するまでの日程は多様だが、もう視点はクラシック、皐月賞を勝ち負けしそうな馬を探すのがテーマになる。
候補のジオグリフの父ドレフォンは、2016年の米牡馬チャンピオンスプリンター。3歳馬として制したBCスプリントなど全6勝がダート7F以下だった。
当然、快速馬。でも、短距離馬とは限らない。日本でもそうだが、スピードを好むアメリカらしく、断然の速さを生かして勝ち始めると、中~長距離には出走しなかった。
ドレフォンの3代父になる大種牡馬Storm Catストームキャットも成績はスプリンターだった。だが、血統背景は必ずしも短距離型ではなく、そこで産駒は実に多様だった。
ドレフォンの父Gio Pontiジオポンティは、G1を7勝中4勝が芝の10~11F。2年連続して米牡馬芝チャンピオンに輝いた。母の父Ghostzapperゴーストザッパーは、BCクラシック(ダート10F)をレコード勝ちした2004年の米年度代表馬。祖母の父Trempolinoトレンポリノも凱旋門賞(芝2400m)をレコード勝ちしている。2着はトニービン。
ドレフォンの長所はダートも芝もこなすパワフルなスピードであるのは疑いないが、でもそれは、スタミナ不足と同義ではない。
ジオグリフは東京芝1800mの新馬でアサヒ(父カレンブラックヒル、東スポ杯2歳S2着)を完封し、札幌2歳S1800m圧勝は史上3位タイの1分49秒1。スプリンター型には不可能であり、父ドレフォンの評価は一変した。「どうして朝日杯FSなのか…」とささやかれた前回の5着は上がり最速タイの34秒5で伸びたが、やっぱり距離が短かった。
ジオグリフの牝系には中-長距離型が多い。祖母ナスカの4分の3同血の兄インティライミは、ディープインパクトの日本ダービー2着馬。その姉はステイヤーズS3600mを3連覇もしたアルバートの母となり、スタミナを伝えている。ジオグリフは、母アロマティコが1800-2000mで5勝し、2200mのエリザベス女王杯を3着している。
相手本線は、アサヒ、アケルナルスター、ダノンベルーガ。もちろんダノンスコーピオンも有力だが、調教の気配が一歩だったので、パドックを注視したい。