スタート角度が変更されても結局は…
フェブラリーSが行われる東京ダート1600mは、2010年の秋にスタート角度が少しだけ変更された。外枠有利なのでそれを修正するための変更である。
2015年のフェブラリーS週に本欄でその話に触れ、その時点での「スタート角度変更後枠番成績」を示した。ただ、その時点で「新しいスタートによるフェブラリーS」は4回しか終了していなかったので、フェブラリーSそのものについてはGI昇格後の通算成績を示した。
あれから7年。東京ダート1600mのデータはさらに蓄積されたし、スタート角度変更後にフェブラリーSは11回行われた。そこで改めてデータを見てみようと思う。
まずは東京ダート1600mの全レースを対象にした枠番別成績。だいぶデータが蓄積されたので、フルゲート16頭時のみ(全807レース)を対象にすると以下のようになる。着度数は勝率・複勝率と対応するので省略する。
スタートを修正してもなお、外枠有利の傾向は続いている。1枠と8枠の違いを見ると、1枠の馬を◎にするには相当な根拠が必要にも思える。勝率・複勝率だけでなく、回収率の差も大きい。
では、2011年以降のフェブラリーSについてはどうか。2019年が14頭立てだった以外はすべて16頭立てなので、こちらも着度数は省略する。
僅か11レースが対象なので綺麗に外>内とはならないが、穴は7、8枠から出ている。7枠はコパノリッキー。8枠は2012年1着のテスタマッタと2020年2着のケイティブレイブ。対照的に1枠は2013年にグレープブランデーが3番人気で勝った以外、馬券に絡んでいない。
フェブラリーSのほうだけを見て「GIでも外枠>内枠」と決めつけることはできないが、それでも総合成績と見比べると「外枠が好ましい」くらいの気分にはなる。今年は確固たる存在がおらず、前哨戦も荒れ模様だった。こういう年はいっそ、枠順をメインの判断材料として予想を組み立ててもいいだろう。