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加矢太騎手が落馬「毎回ヒヤヒヤしてる」

  • 2022年03月29日(火) 18時01分
先週の日曜日の阪神4Rで、加矢太騎手が落馬。幸い、大きなケガにはつながらずに一安心といったところですが、「改めて大変な世界に入れたんやな…」と心情を吐露した小牧騎手。先週のレース回顧とともに、日曜日の出来事を振り返ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

無事でホッとしたけど…改めて大変な世界に入れたんやな


──先週は、デビュー3戦目のレースで加矢太騎手が落馬(3月27日・阪神4R・障害4歳上未勝利・メモリーエアシップ)。すぐに立ち上がったので、ホッとしました。

小牧 うん。僕もホッとしたわ。日曜日は、初めて加矢太と同じ競馬場でね。装鞍所にも行って、初めて一緒に装鞍して。僕は最終レースまで時間があったけど、検量所で心配しながら見てたんですわ。で、馬が戻ってきたら、鞍を外してね。

──小牧さんがですか?

小牧 そうそう。毎回ヒヤヒヤしてるわ(苦笑)。

──初めて障害を走る馬でしたね。

小牧 加矢太が自分で作った馬で、障害のデビュー戦やった。加矢太も多少はショックがあったやろうけど、いい勉強になったんちゃうかな。

──小牧さん、毎回ドキドキですね。

小牧 まだ3回しか乗ってへんけど、加矢太が乗り出してからというもの、ソワソワソワソワしてるわ、ホンマに(苦笑)。日曜日みたいなことがあるとね、改めて大変な世界に入れたんやなと思った。大きなケガにつながらなくてよかったよ。まぁでも、せっかくこの世界に入ったからには、しっかり先輩たちのレースを見て、覚えてもらわなね。早く慣れていかな。

──さて、小牧さんは土日で3鞍に騎乗。収穫のあったレースは?

小牧 フチサンメルチャン(3月27日・阪神12R・4歳上2勝クラス・12番人気7着)は、1200mで久々に8着以内に入れたね。やっぱり行かせたら最後まで持たんから、かなり辛抱したけどね。いかに脚をタメられるかっていう感じで乗ったんやけど、今回は行くところもなくて。

──それで脚が溜まったところも。

小牧 そうそう。それで溜まったんやね。とにかく、あの馬は気持ちよく行かせたらダメ。1200mだけではなく、1000mでも行かせたらダメやわ。

──最後まで伸びていたので、こういう競馬なら1200mでもいけそうだなと思って見ていました。

小牧 そうやね。少しずつやけど上向いてるよ。

──フチサンメルチャンについては、こんな質問がきていました。「昨年9月にフチサンメルチャンの単勝を獲らせてもらって以来、毎回注目しています。コラムで1000mがベストとおっしゃっていますが、1000mと1200mで走りにどんな違いがあるのでしょうか。素人としては、たったの200mと思ってしまいますが…」。

小牧 やっぱり終いが違うね。それに、競走馬にとって200mは大きいよ。1200mと1400mでも違うし、1400mと1600mでも違うし。ただ、メルチャンの場合は、距離以上に道中で辛抱させることが大事。そういう感じやね。

──去年の9月に1勝クラスを勝ち上がったときは、2番手からすごく強い競馬をしましたが、やはり中団で我慢させるのがベストですか?

小牧 あのときはね、2番手とはいえ、持ったままやったから。ああいう競馬ができれば、2番手でも脚は溜まる。1200mより1000mがいいけど、とにかくいかに辛抱させられるかや。

──最後に、もうひとつ質問を。「小牧騎手の全身を使って追う姿が大好きです。長年のあいだに染みついた小牧騎手流の追い方だと思いますが、そもそもフォームを参考にした騎手とかいるのですか? 小牧騎手のフォームのルーツを知りたいです。2022年は厳しいスタートになってしまっていますが、頑張れ太!」という応援メッセージ付きです。

小牧 アハハハ! ありがとう。フォームのルーツかぁ、やっぱり園田競馬やね。誰か先輩のフォームを参考にしたというより、曾和先生にビッシリ教わったんやね。ただ、若い頃はいろんな騎手の真似をしてたよ。それこそ(武)豊くんとかね。だから、誰っていうのはとくにないね。いつの間にか自分の形が出来上がったっていう感じかな。

──いかに馬が動くか、試行錯誤を重ねた結果だと。

小牧 そうやね。それにしても、最近の子は手足が長いわ。手足が長いほうが、馬が動いているように見える。やっぱり推進力が付くんかな。まぁ何が正解かわからん世界やけど。

──体型によって、できる乗り方とできない乗り方があると聞いたことがありますが、どんなフォームでもできるとしたら、誰のような騎乗をしてみたいとかありますか?

小牧 ライアン・ムーアみたいな乗り方をしてみたいねぇ。昔はちょっと真似したりしてたけど(笑)。今はね、なんせ必死に追ってるわ。自分の形でね。一鞍一鞍、集中して乗っているし、僕なりに一生懸命追ってるよ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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