有利な内枠寄りのスプリント血統に張ってみる手も

　昨年の桜花賞は、年々進化する馬場整備の技術向上も手伝って1分31秒1のレコード決着。今年も31秒台の決着も十分にありえる馬場状態。

　数年以上前の桜花賞は、晴れ馬場でも1分32秒台の決着にもなりにくい馬場。上位入線馬の血統はマイル以上のGIでも実績を残す中距離指向が優勢でしたが、高速化するにつれて、スプリント指向が強くなりました。

　昨年の勝ち馬ソダシの父はクロフネ。同種牡馬の産駒はスプリントGI勝ち馬の牝馬は複数出しています(カレンチャン、スリープレスナイト)しかし、2000m以上のGI勝ち馬は出していません。勝ち時計が1分32秒7だった19年の勝ち馬グランアレグリアもその後のGI勝利もすべてマイル以下。

　昨年の3着馬ファインルージュも母パシオンルージュが芝1000mで2勝。母父ボストンハーバーは快速型の米国血統。

　2着のサトノレイナスは中距離型ではありますので、中距離型が馬券になれない。とまでは言いませんが、スプリント戦に強い血統。スピード持続力勝負に強い米国血統を持つことが有利な馬場ではあります。ちなみに、サトノレイナスも母父、母母父は米国型。母父系は高速スプリント勝負に強いカロの系統でした。

　また、今年は外枠に人気馬が集中。外枠の上位人気馬は父も母も中距離型血統。競馬で要求される能力の方向性は一定ではありません。人気馬が特定の能力の個性に寄っていて、かつ逆方向の能力の方向性にも可能性があるのならば逆方向へ託すのも手。

　今まで申しましたように、軽い馬場で行われる桜花賞は、スプリント血統、内寄りの枠が有利な傾向になっています。人気が集中している外枠の中距離型血統とは逆方向。すなわち内枠のスプリント血統に張ってみる手にも価値はあるでしょう。

　ナムラクレアの父ミッキーアイル。マイルGIのNHKマイルC、マイルCSを優勝。スプリントGIの高松宮記念、スプリンターズSでも連対。スプリンター寄りのマイラー。父は、現役時代に2歳で1分32秒3のレコードタイムを樹立。桜花賞で重要な体力の完成の早さとマイルでの強さを兼ね備えた馬。

　母父は世界のスーパーサイヤーで米国型のストームキャット。4代母のクドフォリーも世界的名種牡馬マキャベリアンの母。ノーザンダンサー、サンデーサイレンスの父ヘイローなど歴史的名種牡馬の基礎牝系でもあるアルマームードのファミリー。牝系のスケールもGI級。

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