
昨年皐月賞を制したエフフォーリア(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
先週の中山は週中月曜の雨量が多かったが、以降は晴れていて気温も上がり、芝は標準的な馬場コンディション。
芝1200mで行われた日曜のメインレースはレコードと0.1秒差の1分6秒8で決着。勝ち馬が抜けて強かったこともあるが、力があれば速い時計で走ることも可能な馬場コンディション。
先週の中山芝も、7番人気以下で3着内に好走した馬は1頭しかいなかった。馬場で実力馬が力を出せないトラックバイアスは特にない。中山芝では珍しい馬場だ。
路盤が改修された2015年以降の皐月賞でも、馬場コンディション「軽い〜標準」の間で行われた2015年、2016年、2017年、2019年の4回は3着内に好走した12頭のうち最初のコーナーを3番手以内で通過していた馬が2頭しかいない。
対して、二桁位置取り馬が4連対。先週のように末脚の能力に優れた実力馬も力を発揮できる馬場だ。
しかし、実力馬が必ずしも人気とは限らない。たとえば、2017年も実力馬が力を出しやすい馬場だったが、皐月賞は3連単が100万超え。これは人気が間違っていた。1着のアルアイン、2着のペルシアンナイトは後にもGIを勝ったのだから。現在の3歳重賞は、真の能力判定が難しい番組体系と馬場のサイクルが発生しやすい。
トライアルが行われる冬場は、重い馬場で真のスピード能力を発揮できないことが多いからだ。馬場に恵まれる馬ではなく、本当は強いけれども人気がない馬を狙うことが皐月賞では重要である。
ダノンベルーガも本当の強さを見せていない。前走の共同通信杯はトラックバイアス「 ・前有利」。この週の東京は週中木曜に雪。当日も雨のなかでの開催。芝は後半になるにつれ、重めの馬場コンディションによって直線で脚を使うのは難しい馬場。その後、スプリングSを勝つビーアストニッシドが有利な馬場だった。
それでもダノンベルーガは直線で追われてからは抜群の反応で抜け出し、余力十分に勝った。

稍重馬場の共同通信杯で勝ったダノンベルーガ(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
前走のダノンベルーガは馬場状態が不利だったため、スピードを存分に発揮していない。反応の速さだけで勝ったのだ。中山の芝は短いので、反応の速さも武器になる。
前走よりも走りやすい馬場コンディションになれば、さらに優れたパフォーマンスを発揮するだろう。
心配は雨。今週末の中山は不安定な天気予報。馬場コンディション「稍重い〜重い」の間で行われた2018年、2020年、2021年の3回では末脚を活かすのが難しく、内を通る馬や先行が恵まれるケースが目立っている。
雨が降って重めの馬場コンディションになった際には、トラックバイアスによる紛れが発生する。それでもダノンベルーガは能力と反応の速さだけで対応できそうだが、最終的な判断は「ウマい馬券」で下す。
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