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逝去されたニホンピロ・小林百太郎オーナーへ「移籍当初から本当にお世話になりました」

  • 2022年04月12日(火) 18時01分
太論

▲逝去されたニホンピロ・小林百太郎オーナーへの感謝… (C)netkeiba.com


日曜日のキタノインディ(梅田S)は、早め先頭から粘りに粘って僅差の3着。勝利まであと一歩の競馬に、小牧騎手も「惜しかったねぇ」と悔しさを滲ませました。とはいえ、「やっぱり走るわ」と改めて能力の高さを確認できた様子。今週の『太論』では、そのキタノインディのレース回顧やユーザー質問のほか、先月逝去したニホンピロのオーナー、小林百太郎氏への思いを語ってくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

トレーニングの賜物!? 「ここにきてすごく筋肉質になってる!」


──日曜日のキタノインディは11番人気で3着(4月10日・阪神12R・梅田S・ダ1800m)。コンマ3秒差とあって、ゴール前は力が入りました。

小牧 惜しかったねぇ。ちょっと早仕掛けやったかなとも思うけど、気持ちよく走っているうちにスピードに乗せようと思って。なんせ前回が15着やったからね。まぁでも、いいきっかけになったんちゃうかな。

──差し馬の決着になりましたが、4コーナーの位置取り(2番手)を思うと、一番強い競馬をしていましたよね。

小牧 そうそう。あれで押し切っていれば、横綱相撲なんやけど。難しいなぁ、勝つのは。この前はちょっとズルさも見せていたからね。

──どのあたりですか?

小牧 先行できなかったでしょう。僕としてはハナに行くぐらいの気持ちで乗ってたんやけど、もうひとつ行けんかった。おそらく前回、全然競馬をしてなかったからやろうけどね。でも、この前みたいに外目を気持ちよく走らせたら、やっぱり走る。どうしても砂を被ったらもうひとつやねん。

──今後も、枠順とポジショニングが重要になってきそうですね。調教の動きからすると、もっとやれそうな感覚はありますか?

小牧 そうやねん。でも、この前はこの馬らしい走りをしてくれたから。やっぱり力はあるっていうことやわ。僕もだいぶわかってきたところがあるし、次が楽しみや。

──では、ユーザーからの質問をふたつほど。「小牧騎手、いつも応援しています。トレーニングの話などからストイックな一面が垣間見られますが、体脂肪ってどれくらいをキープしているのですか? 自分は40代後半の年齢で体脂肪25%…。ストイックな小牧騎手を見習いたいです」。

小牧 体脂肪? 30%くらいあるんちゃう?

──それはない(笑)。

小牧 実際のところ、体脂肪は気にしてないねん。普段は体重しか気にしてないから、体脂肪はずいぶん計ってないよ。僕はお酒を飲むからね、やっぱり。ブヨブヨになってきよるわ(笑)。

──いやいや、一般の50代に比べれば、研ぎ澄まされたボディをキープしているでしょう。

小牧 まぁね。なんかここにきてね、すごく筋肉質になってきてる。前に『太論』の企画で高倉(稜騎手)と温泉に行ったでしょう。あのときより今のほうがマッチョになってるよ。機会があれば、またみんなに見せたいくらいやわ(笑)。

──ぜひぜひ(笑)。続いての質問です。「サワーホマレーはどうしていますか? 今年一度も走っていないし、情報がないので気になっています」。

小牧 屈腱炎になってしまってねぇ。今は宮崎の牧場で静養しているよ。復帰云々という話は、とりあえず症状が治まって、乗り込み出してからになるね。

──最後になりますが、3月27日にニホンピロのオーナー、小林百太郎氏が逝去。小牧さんとも縁が深いオーナーでしたよね。

小牧 JRAに移籍して、初めて重賞を勝たせてくれたのがニホンピロサートでした(2004年プロキオンS)。あの馬では交流重賞も勝ったし、忘れられない1頭やね。園田から移籍して、なかなか流れに乗れずにいた頃でね。結果的に、あの馬に巡り合って重賞を勝ったことが、その後の僕にとって大きなきっかけになった。オーナーには、本当にお世話になりました。

──実際にオーナーとお会いする機会というのは?

小牧 食事などはご一緒したことはなくて、競馬場で勝ったときとか、あとは下見所などでお会いしましたね。細かいことはなんにも言わず、にこやかに「頑張ってこいよ」と声を掛けてくださる方で。最初のきっかけを与えてくださったのはもちろん、今でもよう乗せてもらっていて。ホンマにうれしいし、ありがたい限りです。今は寂しい気持ちやけど、息子さんが引き継がれるということでね。これからも、少しでも期待に応えられるように頑張りたいです。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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