天皇賞・春の歴代最大着差2位タイを記録したタイトルホルダー
■先週の血統ピックアップ
・5/1 天皇賞・春(GI・阪神・芝3200m)
ハナを切ったタイトルホルダーが直線で後続を突き放し、7馬身差で逃げ切りました。天皇賞・春の歴代最大着差は1968年にヒカルタカイが記録した大差(推定17馬身)。今回はそれに次ぐ歴代2位タイです(他は1965年アサホコ、2004年イングランディーレ)。父ドゥラメンテは現役時代に皐月賞と日本ダービーの二冠を制した名馬。種牡馬としても好成績を挙げており、今年の桜花賞馬スターズオンアース、小倉大賞典を勝って大阪杯でも3着となったアリーヴォなどを出しています。残念ながら昨年8月31日、急性大腸炎により急逝。9歳の若さでした。残された産駒は5世代です。
母メーヴェはクイーンCで5着となり、芝2600mのオープン特別を勝った経験があります。その父モティヴェイター、母の父シャーリーハイツはいずれも英ダービー馬でスタミナタイプ。こうした欧州系の重厚な血が産駒のスタミナ、底力、成長力を支えています。オーナーの山田弘さんは血統に明るく、ヌレイエフとサドラーズウェルズの4分の3同血クロスを内包した「キングマンボとモティヴェイターの関係」に注目して選んだとおっしゃっています。
・4/30 青葉賞(GII・東京・芝2400m)
中団を追走したプラダリアがロードレゼルを半馬身とらえて快勝。この2頭が日本ダービーへの優先出走権を手にしました。父ディープインパクトは「日本ダービー7勝」という歴代最多記録を保持しているのですが、それを可能にしている理由のひとつは“3歳春に上昇する”という特性です。プラダリアは3月に未勝利戦を勝ち上がったばかりでしたが、格上馬相手にしっかりと勝ってダービー出走枠に滑り込みました。2着ロードレゼルもディープインパクト産駒です。
同産駒は今年の2歳がラストクロップで、産駒はわずか6頭。そのうち牡は2頭しかいません。したがって、同産駒にとって今年のダービーが最後の出走となる可能性は高いでしょう。プラダリアは「ディープインパクト×クロフネ」なので、レイパパレ、シャイニングレイ、ステファノスなどと同じ。3代母リトルオードリーは報知杯4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)の勝ち馬で、オークスで3着と健闘しています。ダービーまでの期間は短いのですが、上昇気流に乗っているので、ここから大きく良化すれば本番でもチャンスはあるかもしれません。
■今週の血統注目馬は?
・5/7 谷川岳S(L・新潟・芝1600m)
新潟芝1600mに強い種牡馬はモーリス。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した64頭の種牡馬のなかで、連対率28.6%は第1位。当レースにはルークズネストが登録しています。3歳時にファルコンSを勝ったほか、シンザン記念で2着となっています。ここ2戦は二桁着順と振るいませんが、4ヵ月の休養を挟んで立て直しが成功していれば楽しみです。
■今週の血統Tips
過去10年間のNHKマイルCで、最も多くの馬券対象馬を出している種牡馬はダイワメジャー。3勝(カレンブラックヒル、メジャーエンブレム、アドマイヤマーズ)、2着1回(レシステンシア)、3着2回(フラムドグロワール、ボンセルヴィーソ)という好成績です。同産駒はこれまでに芝平地重賞を42勝していますが、過半数の23勝を芝1600mで挙げています。典型的なマイラー型種牡馬といえるでしょう。
どんな種牡馬でもある程度の距離の融通性があり、たとえマイラー型種牡馬であっても長めの距離で活躍する馬を多少は出すものですが、ダイワメジャー産駒はいまだに2000m以上の重賞では1勝も挙げていません。自分の特長をしっかり伝える種牡馬といえるでしょう。今年はセリフォス、マテンロウオリオンといった有力馬を擁しています。