先週は、2頭の馬と初タッグ。どちらも結果にはつながりませんでしたが、伸びしろや変わってきそうな要素を持っている馬たちだけに、引き続きその動向に注目です。ユーザーからの質問は、「笹田厩舎とはどういうつながりが?」「現役を続けるために保つのが難しいのは、体調面? 精神面?」の2つをピックアップ。はたして小牧騎手の答えとは!?(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
馬名が「ファイブジー」だから乗せてくれたのかも!?
──先週は、土日ともに初騎乗の馬でしたね。
小牧 先週は乗る馬がいないかもなぁと思ってたんやけど、乗せてもらえてよかったです。土曜日のスーサンシーヴァー(5月7日・中京3R・3歳未勝利・12番人気14着)は水曜日の追い切りに乗ったんやけど、いくらかまだ重い感じやった。
──レース当日の馬体重は、マイナス26キロの464キロ。これだけ減ってもまだ重いんですね。
小牧 うん。まだ少し重たくて、今回はもうひとつ体力がなかった。追い切りと一緒で道中の走りはいいものがあるんやけど、最後がどうにも伸び切れへん。まだちょっと使っていかなアカンなと思うけど、絞れてくれば変わってきそうな感じはあるよ。
──日曜日のファイブジーは初出走(5月8日・中京2R・3歳未勝利・10番人気11着)。
小牧 名前がファイブジーやから乗せてくれたんちゃうかなと思って。
──ん? どういうことですか?
小牧 ファイブジー知らん?
──……あ! 柴田善臣さん(55歳)、小牧さん(54歳)、横山典弘さん(54歳)、熊沢重文さん(54歳)、そして武豊さん(53歳)。この5名を武さんが某テレビ番組で「5爺」と命名されたアレですね(笑)。
小牧 聞いてないからホンマのことはわからんけど、だから乗せてくれたのかもしれんよ(笑)。厩務員さんは「5爺」の意味を知らんかったけどね。一度厩舎には入ってきたんやけど、まだ体がしっかりしていないということで一旦戻して、ある程度しっかりしてからまた連れて帰ってきたみたい。でも、まだ太いのもあるし、もう少し時間が掛かりそうやなぁ。ただ、一瞬伸びそうなところがあったし、走りそうな気配はあるから、むしろまだまだ上積みがありそうな感じ。しっかりしてくれば、もっとやれる馬だと思うよ。
──スーサンシーヴァーは去勢放牧明け、ファイブジーは初出走と、どちらも変わってくる要素がある馬たちだけに、コンビ継続となれば要注目ですね。
小牧 どちらもまだ体ができていないぶん、可能性はあるよね。走ってきてくれたらいいんやけどな。
──さて今週ですが、キタノインディが土曜日の中京10R・三河Sにスタンバイしています。
小牧 今度こそなんとかしたいねぇ。
──坂路での追い切りでは51秒1をマーク。もともと調教は動く馬ですが、自己ベストが出ました。
小牧 僕、坂路で初めて追い切りましたわ。とにかく追い切りは動くねん。あの動きからすると、レースでももっとやれそうなんやけどなぁ。まぁ展開次第っていうところやね。あとはいい枠が当たってくれるように祈っておきますわ。そういえば、笹田さんのところの2歳がゲート試験受かったよ。
──キタサンブラックのジャッドノワールですね。背中の感じはいかがでしたか?
小牧 まだ速いところをやってないから何とも言えんけど、まだ馬がしっかりしてないね。だから、一旦放牧に出るかもしれん。とにかく順調にいってほしいわ。
──では、質問を2つほど。「今さらですが、笹田厩舎の馬にたくさん騎乗しているのはなぜですか? 笹田調教師とは、どういったつながりがあるのでしょうか?」。
小牧 もともとゴルフ仲間で飲み友達やったから。橋口(弘次郎)厩舎が解散したことで、調教に乗る厩舎がなくなってしまってね。やっぱり日々馬に乗っていたほうがいいなと思って、友達のよしみで笹田さんにお願いして。それで乗せてもらうようになったんやわ。
──そもそも仲良くなったきっかけは、“伊藤雄二厩舎”ですよね?
小牧 いや…。確かに、中央に移籍してきて最初に調教を手伝わせてもらったのが伊藤雄二厩舎で、当時、笹田さんは伊藤雄二厩舎の番頭やった。でも、あの頃はあんまり喋ったりしなかったし、むしろ「難しい人やな」と思っていたくらい。仲良くなったのは、ゴルフに行き出してからですわ。
──ウマが合ったんですね。
小牧 そうやね。競馬以外の普通のことを楽しく話せるのがいいね。笹田さんとは、逆に競馬のことはほとんどしゃべらんよ。
──続いての質問です。「先日、58歳の競輪選手、萩原操さんが引退しました。体調面と精神面の両方を引退の理由として挙げていましたが、現役を続けるために、より保つのが難しいのはどちらだと思いますか? 小牧騎手、頑張ってください! とにかく応援しています!」。
小牧 まぁなんといっても体が資本やからね。あちこち痛くなったりしたら、たとえ気持ちがあっても続けられんやろうし、そのうち精神的にもきつくなってくるやろうし。切り離して考えられるもんやないから、答えとしてはどっちもやね。自分はまだまだいけると思っても、この世界は他人の目にどう映っているかが大事やから。僕自身は何も変わっていないけど、これからも体作りは手を抜かんと地道に積み重ねていくだけやね。