今後も小回りコース、内回りコースでは注目したい一頭
先週の血統ピックアップ
・6/19 ユニコーンS(GIII・東京・ダ1600m)
好位追走から馬群を割って伸びたペイシャエスが、セキフウの追撃をクビ差抑えて初の重賞タイトルを獲得しました。
父エスポワールシチーはゴールドアリュールの代表産駒の一頭。現役時代にフェブラリーSやジャパンCダートなどGI(JpnI)を9勝し、引退後はダート向きの種牡馬として優れた成績を挙げています。とくに地方競馬での活躍ぶりは目覚ましく、今年の地方種牡馬ランキングで首位を走っています。代表産駒はヴァケーション(全日本2歳優駿)、イグナイター(黒船賞、かきつばた記念)。今回はJRAにおける初の重賞勝利でした。
母方にサドラーズウェルズを持つエスポワールシチー産駒は、ショーム、マリオをはじめコンスタントに走っており、勝ち上がり率、連対率、1走あたりの賞金額とも、父の全体成績を上回っています。
前走の青竜Sは道中2番手を追走したものの、オーバーペースだったため差し馬に呑み込まれる形で5着。今回はちょうどいい流れとなり能力を出し切ることができました。
・6/19 マーメイドS(GIII・阪神・芝2000m)
好位を追走したウインマイティーが直線で早め先頭に立ち、後続の追撃を抑えて優勝しました。3歳春にデイジー賞、忘れな草賞を連勝し、13番人気で挑んだオークスでも3着と好走。しかし、その後は期待ほどの成績を挙げられず、勝ち星から遠ざかっていました。
父ゴールドシップはオークス馬ユーバーレーベン、目黒記念を勝ったウインキートス、札幌2歳Sを勝ったブラックホールなどを出しています。本馬はオークス3着の成績があるものの、父の産駒は基本的に直線の長いコースよりも小回り・内回りコースのほうが合っており、今回の舞台である阪神芝2000mも内回りコースです。当コースでは3歳春に忘れな草賞を勝った経験があります。今後も小回りコース、内回りコースでは怖い一頭です。
今週の血統注目馬は?
・6/26 八ヶ岳特別(2勝クラス・東京・芝1800m)
東京芝1800mに強い種牡馬はリオンディーズ。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した74頭の種牡馬のなかで連対率29.2%は第1位。登録馬エーティーソブリンは東京コースも芝1800mも初経験ですが、それだけに新味が期待できます。
今週の血統Tips
宝塚記念が行われる6月末は、梅雨のシーズンであるため、雨の影響で馬場が渋ることが珍しくありません。宝塚記念の過去10年間の上がり3ハロン平均は35秒9。瞬発力よりも持続力が問われる舞台なので、好位追走からしぶとく脚を使う馬が有利です。マクリや逃げ切りも決まりやすいレースです。
ヌレイエフ、サドラーズウェルズ、トニービンといった血を持つ馬は注目で、ひとつだけでなく複数の血を抱えた馬はなおいいでしょう。1〜2番人気が予想されるタイトルホルダーは3つ、エフフォーリアは2つ持っています。