初週の重賞は東西ともにハンデ戦、注目の調教適性とは…
今週から福島、小倉の開催がスタート。いよいよ、本格的な夏競馬が始まりましたが、その初週に行われる重賞が東西ともにハンデ戦。登録時点での頭数がフルゲートには満たないものの、非常に難解な雰囲気が漂っているのは間違いありません。
特にCBC賞には格下の3歳牝馬が2頭も出走。いずれも50キロを割る斤量で人気になることは間違いありません。しかも、2頭とも小倉経験がありますから、ひょっとしたら昨年の覇者よりも人気して、なんて可能性も。人気的妙味を狙いたくなるハンデ戦ではありますが、ここは調教適性でしっかりと仕留めたいと思います。
【ラジオNIKKEI賞/サトノヘリオス】
ローテーションを考えれば、前走皐月賞の調教内容よりもスプリングSの時との比較が今回には適しているでしょう。追い切りの量はさほど多くなかったスプリングSでしたが、決して悪くない動き。特にドウデュースと併せ馬を消化した時はいい動きでした。
しかし、今回は1週前追い切りがCWで引っ掛かる内容。これによって、併せ馬では遅れましたし、折り合いに課題を残す現状かなと思ってしまいます。最終追い切りはCWでの半マイル追いでしたが、これも頭を上げて、行きたがる仕草。単走でもこれですから、レースでの折り合いという意味で課題はありそうです。
折り合いに課題を残すサトノヘリオス(6月29日撮影)
【ラジオNIKKEI賞/フェーングロッテン】
二桁着順が続いた時に比べれば、別馬のような現状。1週前追い切りはCWで単走でしたが、スムーズにスピードが乗る走り。ブリンカーを着用しているわけではありませんが、1頭で気分よく走るとこんな感じなのかも知れません。
最終追い切りの動きは確認していませんが、坂路で4F目が最速になるラップを踏んだようです。これ自体は前走勝った時と同じですし、客観的な評価をすれば、今回も好走できる状態と思ってよさそう。あとはハンデや同型との兼ね合いといった部分でどういった評価を下すかでしょう。
好走できる状態にあるフェーングロッテン(6月28日撮影)
【CBC賞/アネゴハダ】
馬体重は430キロ台ですが、ここに掲載した画像を撮影した6月28日に坂路でその姿を確認した時も小さく見せません。このあたりがキズナ産駒の特徴である、ボリュームある体が見せる部分かも知れませんね。
そういった意味では見た目だけではなく、中身も力強いからこそ、坂路でしっかり動けるというのがこの馬。1週前追い切りは坂路4F50.9秒ですから、素晴らしい時計だと思います。最終追い切りは4F目最速ラップが踏めたようですし、どんな動きだったかをしっかりと確認して、重賞捜査網でも解説したいと思います。
見た目だけではなく、中身も力強いアネゴハダ(6月28日撮影)
【CBC賞/テイエムスパーダ】
1200mで崩れたのは葵Sだけですが、この時が14キロのマイナス体重。映像しか見ていませんが、パドックでの体は細く見えました。それだけに今回の中1週がどう影響するのか気になるところでしたが、29日の追い切り前、追い切り後ともに体が細いと感じるところはありません。
実際の動きが確認できなかっただけに、このあたりは映像を見ての重賞捜査網での解説をお待ちいただきたいところですが、2F24.0秒という時計を見るかぎり、いい動きをしたということについては間違いないでしょう。
時計を見るかぎり、いい動きをしていたことは間違いないテイエムスパーダ(6月29日撮影)
【CBC賞/ファストフォース】
3勝Cで8着、休み明けというローテーションで勝ったのが昨年。そこと比較することが難しい部分はありますが、1週前追い切りの坂路4F50.7秒かつ4F目11.9秒かつ併せ馬追走先着という内容は素晴らしいの一言に尽きるかも知れません。
だからこそ、最終追い切りが坂路4F54.5秒というのはあまりにも地味に思えてしまいます。ただ、全体時計は昨年とほぼ変わりなし。違うのは2F時計で、昨年は24.5秒に対して、今年は25.9秒。CBC賞以降、ここまで遅い2F時計の最終追いがないだけに、少し判断に迷う部分はあります。
1週前追い切りの内容は素晴らしいの一言に尽きるファストフォース(6月28日撮影)
◆次走要注意
・6/26 宝塚記念【ウインマリリン】(9人/7着)
栗東に滞在しての出走。うまく調整されていたということでしょう、着順こそ7着ですが、先行してよく踏ん張ったという結果だと思います。滞在することで良い結果を得ることができると分かった今回を次走以降に活かすなら、エリザベス女王杯だと思います。
[メモ登録用コメント] [エ女王杯]追い切り本数標準以上併用系統なら勝ち負け
◆開催おすすめの調教適性
<小倉芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で2F目と3F目区間が1秒以上加速するラップ
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
昨年のCBC賞。1着も2着も◎○。3F目以降のラップについては数字の設定はありませんが、このレースに関しては12.9秒以下でした。昨年はレコード決着でしたが、時計が速くなるようなら、ラップ自体の速さも重要になってくるかも知れません。