▲ミルコ騎手の新人時代に迫ります(撮影:桂伸也)
今週はユーザーの皆さんからの質問にお答えします。以前、ミルコ騎手に幼少時代のエピソードを語っていただきましたが、今回は新人騎手としてデビューした頃のエピソードに迫ります。15歳でジョッキーになったというミルコ騎手、デビューした当初は体重が軽く、周りから「アイツは下手くそだ」と言われていたそう…。
しかし、そこからわずか3ヶ月で軌道に乗り見習い騎手でトップに立つと、今度は周りから妬みを受けることに。現場では周りの人と喧嘩、家ではお父さんと喧嘩、そんな波瀾万丈なエピソードからミルコ騎手の天才ぶりが明らかになります。
(取材・構成=森カオル)
Q「ミルコ騎手は若くしてイタリアのトップジョッキーになったそうですが、下積みみたいな期間はあったのですか? ミルコ騎手の新人時代のエピソードが知りたい!」(ベヒーモスさん)
ミルコ 14歳から厩舎で働き始めて、15歳にはもうジョッキーになっていたから、下積みという下積み期間はなかったかな。
──そもそもミルコ騎手の時代は、競馬学校のような機関がなかったんでしたっけ?
ミルコ なかったし、僕は乗馬クラブすら行ってない。いきなり競走馬からのスタートですね。最初はめちゃめちゃ大きな厩舎に入ったんだけど、そこにはすごく上手な見習いジョッキーがいて、僕、この厩舎では絶対に乗せてもらえないと思った。だから、もっと小さな厩舎に移りました。馬は15頭くらいしかいなかったけど、厩舎の人たちが「全部乗せてあげる」って言ってくれてね。僕のお父さんのことをみんなリスペクトしてくれていたから、デムーロの息子ということですごく大事にしてくれたし、一生懸命に育ててくれました。
──技術のベースは、その厩舎で培ったんですね。
ミルコ 調教師とか先輩ジョッキーがいろいろ教えてくれたし、絶対にジョッキーになりたい、絶対に誰にも負けたくないと思っていたから、いろんな競走を見て、いろんなジョッキーの乗り方を見て、僕自身もすごく勉強したね。でもね、デビューしてみたら最初は全然ダメだった。
──でも、2年目には見習いリーディングを獲ったのでは?
ミルコ そうだけど…。全然自信がなかった。なんていうのか、馬に乗っていても夢のなかにいるみたいな、まだ目覚めていないような感じで。どんな世界かもわからないまま、アッという間に競馬に乗るようになって、最初は全然思ったように乗れなかったし、全然勝てなかった。デビューした頃なんて、みんなに「下手クソ!」って言われてた。僕ね、15歳の頃は38キロくらいしかなかったの。
──38キロ!
ミルコ そう。僕のような体重の人はいなかった。だから、馬に思いっ切り持って行かれて、返し馬から止まらなくなって。「アイツは下手くそだ」ってみんな言ってました。めっちゃ悔しかった。
──風向きが変わってきたのはいつ頃ですか?
ミルコ ん〜、デビューして3カ月くらい経った頃かな。やっぱり