世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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日本の競馬界にも大きな影響を与えているドーヴィル1歳セール
8月13日(土)から15日(月)までドーヴィルを舞台に開催される、名門アルカナ社が主催するドーヴィル1歳セールには、313頭の1歳馬が上場される予定です。そのうち144頭は、フランスをはじめヨーロッパ全域のトップブリーダーが、馬体と血統の両面において、自信をもってお届けする牝馬です。
フランス産の牝馬は長年にわたって、日本の競馬界と生産業界において、素晴らしい実績を残してきました。まず挙げられるのは、チャンピオンホース・リスグラシューの母リリサイドです。ドーヴィルからほど近い場所にあるトゥルジェヴィル牧場で生まれたリリサイドは、2008年アルカナ10月1歳セールで購買されました。
また、G1・6勝をあげた名牝スタセリタは、吉田照哉氏の社台ファームで繁殖入りした後に、2017年のオークスを含むGI・2勝馬ソウルスターリングや、今年春に桜花賞とオークスの2冠を達成したスターズオンアースの母サザンスターズを送り出しました。さらに、桜花賞を2016年に制したジュエラーも、フランス産馬でG3ペメロープ賞を制しているバルドウィナの産駒です。
12月にアルカナが主催する繁殖セールには、毎年超一流の牝馬が揃います。フランスでもトップクラスのファミリーを背景にもつ牝馬たちが、このセールで購買されて日本に渡り、活躍馬をたくさん輩出してきました。GI天皇賞(春)やGI菊花賞を制したフィエールマンの母リュヌドールは、2010年のアルカナ繁殖セールにメゼレイ牧場から上場されたところを、吉田勝己氏に購買されました。
GINHKマイルカップ勝ち馬アドマイヤマーズの母ヴィアメディチや、昨年のGIIデイリー杯2歳ステークスに優勝したセリフォスの母シーフロントもまた、アルカナ繁殖セール出身馬です。セリフォスは、2016年のアルカナ繁殖セールにて、吉田晴哉氏に購買されています。
ドーヴィル1歳セールの注目牝馬をご紹介します。
上場番号66番。父トゥーダーンホット。母は重賞2勝のナイトミュージック。カドラン牧場から上場。
上場番号93番。父デコレイティッドナイト。2022年ディアヌ賞(仏オークス)勝ち馬ナシュワの半妹。ブルーダイアモンドスタッドから上場。
上場番号149番。英G3勝ち馬ノーブルトゥルースの全妹。スタセリタ、ソウルスターリング、スターズオンアースの近親にあたります。カプチン牧場から上場。
上場番号189番。重賞勝ち馬アントニオドヴェガの全妹。日本で活躍したカレンミロティック、ヒカルアマランサス、ホウオウアマゾンらと同じ牝系出身。バリーリンチ・スタッドから上場。
上場番号209番。父チャーチル。母は、父ディープインパクトの重賞勝ち馬アクアマリン。名牝アンガラが出ている牝系。ケネイ牧場から上場
上場番号219番。父キングマン。母はブラックタイプを獲得したバルティックダッチス。バルティックバロネスやボルジア、ボリアルといったG1勝ち馬と同じファミリー出身。アマーランド牧場から上場。
上場番号234番。仏クラシックを制したチャネルの初仔で、父はシーザスターズ。ラ・モッテライ・コンサイメントから上場。
アルカナ・ドーヴィル1歳セールのカタログは
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