▲フランスで武者修行中の大野拓弥騎手にインタビュー!(撮影:平松さとし)
今年の6月から約3カ月にわたるフランスへの武者修行に挑んでいる大野拓弥騎手。渡仏後初騎乗となったレースでいきなり勝利を飾り、仏オークス・ディアヌ賞にも騎乗するなど、初のヨーロッパで健闘しています。
そんなフランス修行もあと僅か。デビュー18年目を迎えるジョッキーはこのフランス修行で何を感じたのでしょうか? 苦労したというコミュニケーションや、日本の競馬との違いに驚いた点など、充実の3カ月を振り返っていただきました。
(取材・構成=平松さとし)
競馬も、生活面でも大分しごかれました
──フランスに来てどのくらいになりますか?
大野 2カ月ちょっとですね。
──改めてですが、何故今フランスで挑戦しようと思ったのでしょうか?
大野 ここ何年か、他の土地で競馬に乗ってみたいというか、色々なものを見て、今後の人生とかそういったものに活かしていきたいなと思ったのが理由です。
──実際に来てみて色々と驚いたことなどありますか?
大野 本当に何もかも日本と違うというか、初騎乗で乗った競馬場だと1、2コーナーにラチがないという…(苦笑)。ポールがちょこちょこ立っているだけというのがありましたね、それは凄いびっくりしました。他にもシステムの一つ一つが違うので、全部意識して物事を取り組んでいかないとこなせなかったです。
──競馬に関していうと、JRAに比べてフランスの競馬は結構いい加減な緩いところもあると思いますが、その辺りはどうでしょうか?
大野 そうですね、日本とフランスの中間くらいが良いのかなというのは肌で感じたところです。
──レースの流れは、フランスはスローの競馬が多いかと思いますが、実際に乗ってみてどうですか?
大野 もうほとんどがスローですね。ただ、スローなんですけど、日本は馬場が軽いのでそれなりのペースでも折り合いに気を付けないといけないところがあるので、そういった意味では同じくらいかなと思います。
──馬を見ていると日本の馬より大分大人しく見えるのですがその辺りはどうでしょうか?
大野 大人しいですね、僕でも馬の世話ができるくらいなので。
──朝は調教に跨るだけではなく、馬の世話もしているんですよね?
大野 そうですね、世話をしてから調教に乗る感じですね。
▲調教前に馬の世話をする大野騎手(撮影:平松さとし)
──今は厩舎でいうと朝は何厩舎、何頭くらい乗っているのでしょうか?
大野 今は小林(智)厩舎と清水(裕夫)厩舎で、1日3、4頭ですね。ただ、1頭につき1時間半くらいかかるので時間としては日本に比べると長く調教しているなという感じはします。
──今2人の日本人調教師の名前が出ましたが、かなり力になってもらっているという感じでしょうか?
大野 そうですね、最初の頃はマチュー・ブータン厩舎を手伝わさせていただいたりしてたんですけど