10年の青葉賞を圧倒的なパフォーマンスで制し、同年の日本ダービーでは2番人気に推されたペルーサ。驚異のポテンシャルを誇る一方、出遅れグセから苦戦してしまうなど、なかなか実力を発揮できない、でもなぜか応援したくなるという、もどかしくも不思議な魅力で、多くのファンに愛されました。
16年に現役を引退。20年には種牡馬としても退き、現在は乗馬として北海道札幌市にあるモモセライディングファームで余生を過ごしています。
「これまで預かった馬で人気No.1」と話すのは、同場代表の百瀬利宏さんと担当の若生五月さん。あの破天荒だったペルーサの現在とは?
(取材・文=netkeiba編集部)
「アイツは競馬以外は、いいヤツなんだ!」
──ペルーサを預かることになった経緯を教えてください。
百瀬 担当の方から「ペルーサが種牡馬を引退する。乗馬として育ててほしい」という連絡がありまして。種牡馬を乗馬にするという仕事は中々大変なのですが、うちは昔からその経験があるものですから、お声掛けを頂いたのだと思います。
──ペルーサが来た時の第一印象は覚えていますか?
若生 馬運車が来た際にトビラを開ける前からシャンプーの匂いがして「すごい大事にされてきたんだなぁ」と思ったのが、最初の印象でした。
実際に馬運車から降りてきたら、馬体がピカピカで。初めのころは、慣れない環境で鳴いていたりしていましたね。
──今はどういう性格をしているのでしょう?
若生 来たばかりの頃は何事も「マジメにやりたくない!」という意志を感じました。跨っても前に行かずにバックしてしまったり…。今でもひとクセはありますが(笑)、可愛がっているうちに、ちゃんと応えてくれるようになりました。
──見学者はどのくらいの頻度でいらっしゃるのですか?
百瀬 多いですね。一時期、コロナで見学のお断りはしていたのですが、今は札幌開催もあって、ほぼ毎日入れ替わり立ち替わりで、どなたかがいらっしゃいます。
若生 過去にはテレグノシスが居たり、現在はマグナーテン、グランデッツァ、サトノノブレス、サウンズオブアースなども居るのですが、まぎれもなく人気No.1です。
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▲ペルーサは人気No.1!(撮影:下野雄規)
──他の馬との相性はどうなのでしょう?
若生 はじめはケンカをしていたりもしたのですが、今では仲良く一緒にエサを食べたりしていますね。気が強いのは確かですが、うちのボス的存在はサウンズオブアースです(笑)。
──現役時代に管理していた藤沢和雄調教師と特別なご縁があると伺いました。
百瀬 父がここを運営していた時代に、縁あってロンドンボーイという馬を紹介してくださったんですよね。その当時からのお付き合いになります。
今でも「なんで札幌にある僕らみたいな乗馬クラブに、こんな凄い馬たちを紹介して頂けるのだろう?」と不思議な感覚です。だって、今でも何百kgっていうエサを毎年欠かさず贈ってくださるんですよ? 私は藤沢先生に感謝感謝の人間なんです。
──ペルーサを預かる際に、藤沢先生からアドバイスはあったのでしょうか?
百瀬 「アイツは競馬以外は、いいヤツなんだ!」と仰っていました(笑)。
でも種牡馬上がりの馬は、これまでの仕事柄、どうしても元気なんですよね。去勢させてもらってから人を乗せられるようになるまでは、僕らも頑張らなければいけないので。その訓練をペルーサ自身が乗り越えてくれたということです。
今ではお客様を乗せても本当に大人しくやってくれていますので、本当にうちに来てくれて良かったなと思っています。
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▲動画では元気に飼葉を食べる様子をご覧いただけます(c)netkeiba.com
(了)
※ご見学・乗馬希望の方は、必ず前日までに牧場にお問い合わせおよび予約の上、ご来場ください。